楽しい台湾旅行! 旅行中は写真を撮ってSNSに投稿するのも楽しみの1つですよね。そのためには当然現地でネット接続できることが大前提です。WiFiルーターのレンタルやプリペイドSIM購入など手段はいろいろありますが、利用しているキャリアによっては国際ローミングサービスを利用することもできます。普段使っているスマホをそのまま持って行って現地でも利用できるので便利ですね。
というわけでここでは、国内の通信キャリア(或いはそのブランド)が提供している、台湾で利用できる国際ローミングサービスの利用料金やサービス内容の詳細などを比較してみたいと思います。
各ブランドの国際ローミングサービス提供有無
以下に日本の主な通信事業者(又はブランド)別のデータ通信における国際ローミングサービスの提供有無をまとめました。(2021.10.31現在)
※音声通話は対象にしていません。
■通信事業者(或いはブランド)別の国際ローミングサービス(データ通信)利用可否
通信事業者(またはブランド) | 利用可否 |
ドコモ | ○ |
au | ○ |
ソフトバンク | ○ |
楽天モバイル | ○ |
ahamo | ○ |
povo | ○ |
LINEMO | ○ |
UQモバイル | ○ |
Y!mobile | ○ |
OCN モバイル ONE | × |
IIJmio | × |
mineo | × |
BIGLOBEモバイル | × |
nuroモバイル | × |
イオンモバイル | × |
エキサイトモバイル | × |
J:COM MOBILE | × |
LIBMO | × |
日本通信SIM | × |
HISモバイル | × |
QTmobile | × |
これを見るとドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの通信キャリア4社、及びそのブランドであるahamo、LINEMO、UQモバイル、povo、Y!mobileについてはデータ通信において国際ローミングサービスを利用することができるようです。
その他の通信事業者については国際ローミングサービスを利用したデータ通信は不可(音声通話は可能)なので、WiFiルーターをレンタルしたり、現地でプリペイドSIMを購入したりして対応する必要があります。
各社の国際ローミングサービスを比較
各サービスの料金・データ容量
各社(ブランド)の国際ローミングサービスの料金(1日あたり)と使用可能なデータ容量を一覧にまとめてみました。
通信事業者/プラン | 料金/日 | データ容量 | |
ドコモ | 世界そのままギガ | 980円(※1) | 国内の料金プランのデータ容量を利用 |
世界ギガし放題 | 最大2,980円 | 無制限 | |
ahamo | なし | 国内の料金プランのデータ容量を利用 | |
au | 世界データ定額 | 490円~980円 | 国内の料金プランのデータ容量を利用 |
海外ダブル定額 | 最大2,980円 | 無制限 | |
UQモバイル | 世界データ定額 | 490円~980円 | 国内の料金プランのデータ容量を利用 |
海外ダブル定額 | 最大2,980円 | 無制限 | |
povo | (※2) | (※2) | |
ソフトバンク | 海外パケットし放題 | 最大2,980円 | 無制限 |
海外あんしん定額 | 980円 | 1GB | |
Y!mobile | 海外パケットし放題 | 最大2,980円 | 無制限 |
海外あんしん定額 | 980円 | 1GB | |
LINEMO | 海外パケットし放題 | 最大2,980円 | 無制限 |
海外あんしん定額 | 980円 | 1GB | |
楽天モバイル | なし(※3) | 2GB |
※1 利用日数の長いプランの場合さらに安くなります。
※2 トッピング種別(オプション)によって異なる。例えば台湾で利用した場合、0.5GB・24時間・780円/1GB・3日間・1,480円など。
※3 國際ローミングサービス自体の利用に料金は発生しませんが、海外でのデータ通信量は従量課金制である国内の料金プランのデータ通信量に加算されます。
各サービスの概要
ドコモ
■世界そのままギガ
2018年にドコモが提供開始した国際ローミングサービス。
1日(24時間プラン)あたりの料金は980円で、同じドコモの「世界ギガし放題」に比べるとかなり安い。また利用期間に応じて割引あり。
利用期間が1時間から選べるのが特徴であり大きなメリットでもある。
使用したデータ通信量は国内で契約している料金プランのデータ容量から消費される。データ容量無制限のプランであっても上限あり。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
■世界ギガし放題
以前からあるドコモの国際ローミングサービス。
1日あたりの料金は最大2,980円とかなり高い(普通の使い方をした場合、まず最大になると思っていた方がよい)。
データ容量は無制限。国内で契約している料金プランのデータ容量にも影響しない。
テザリングも可能なのでグループ旅行のときなど数人で利用して料金を分け合うと1人あたりの料金は安くなってメリットあり。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
ahamo
国際ローミングサービスを利用するうえで別途料金は不要。
使用したデータ通信量は国内で契約している料金プランのデータ容量から消費される。
つまりahamoの場合、別途申し込みや料金などは不要で、国内で使っても海外で使っても同じようにデータ容量が消費されるので最もシンプル。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
au
■世界データ定額
2016年にauが提供開始した国際ローミングサービス。
1日あたりの料金は980円と同じauの「海外ダブル定額」に比べるとかなり安い。また事前予約することで690円、早割キャンペーン対象の国・地域だと490円とさらに安くなる。(2021.10.31現在)
使用したデータ通信量は国内で契約している料金プランのデータ容量から消費される。データ容量無制限のプランであっても上限あり。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
■海外ダブル定額
以前からあるauの国際ローミングサービス。
1日あたりの料金は最大2,980円とかなり高い(普通の使い方をした場合、まず最大になると思っていた方がよい)。
データ容量は無制限。国内で契約している料金プランのデータ容量にも影響しない。
テザリングも可能なのでグループ旅行のときなど数人で利用して料金を分け合うと1人あたりの料金は安くなってメリットあり。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
UQモバイル
■世界データ定額
UQモバイルの料金プラン「くりこしプラン+5G」を契約していれば、auの「世界データ定額」を利用することが可能。基本的にサービス内容はauと同じ。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
■海外ダブル定額
UQモバイルの料金プラン「くりこしプラン+5G」を契約していれば、auの「海外ダブル定額」を利用することが可能。基本的にサービス内容はauと同じ。
※ただし「世界データ定額」の「拒否オプション」に加入する必要あり。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
povo
povoを海外で利用する場合、事前にトッピング(オプション)を購入する必要があります。トッピングはレギュラートッピング(90以上の国・地域)、エリアトッピング(韓国、アメリカ、シンガポール・マレーシア、タイ・ベトナム)、ワイドトッピング(160以上の国・地域)が用意されています。
例えば台湾が含まれるレギュラートッピングを利用した場合の料金・データ容量は以下のようになっています。
データ容量 | 有効期間 | 料金 |
0.5GB | 24時間 | 780円(※) |
1GB | 3日間 | 1,480円 |
2GB | 5日間 | 2,880円 |
3GB | 7日間 | 4,280円 |
5GB | 14日間 | 7,080円 |
※ キャンペーンにより640円で提供(2023.8.10現在)。キャンペーンの終了時期は未定。
ソフトバンク
■海外あんしん定額
ソフトバンクが2022年7月13日より提供を始めた海外向けパケット定額サービス。
対象エリアが「定額国L」「定額国S」及び「飛行機・船」の3つにグループ(※)に分けられていて「定額国L」では1日あたりの利用料金は980円と既存の「海外パケットし放題」に比べて安価となっている。
※一般的に海外旅行先として比較的人気のある国は「定額国L」であり、190ヶ国以上が含まれる(2023.2.5現在)。
プランが「24時間」「72時間」から選ぶことができる。使用できるデータ容量は「24時間」のプランでは1GB、「72時間」のプランでは3GBとなっている。ただし国内で契約している料金プランのデータ容量には影響しない。
※2023年7月12日(日本時間)の利用開始分まではデータ容量が3G(24時間のプラン)、9GB(72時間のプラン)利用可能。
■海外パケットし放題
2010年にソフトバンクが提供開始した国際ローミングサービス。
1日あたりの料金は最大2,980円とかなり高い(普通の使い方をした場合、まず最大になると思っていた方がよい)。
データ容量は無制限。国内で契約している料金プランのデータ容量にも影響しない。
テザリングも可能なのでグループ旅行のときなど数人で利用して料金を分け合うと1人あたりの料金は安くなってメリットあり。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
Y!mobile(ワイモバイル)
■海外あんしん定額
Y!mobile(ワイモバイル)の料金プランを契約していれば、ソフトバンクの「海外あんしん定額」を利用することが可能。基本的にサービス内容はソフトバンクと同じ。
■海外パケットし放題
Y!mobile(ワイモバイル)の料金プランを契約していれば、ソフトバンクの「海外パケットし放題」を利用することが可能。基本的にサービス内容はソフトバンクと同じ。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
LINEMO
■海外あんしん定額
LINEMOの料金プランを契約していれば、ソフトバンクの「海外あんしん定額」を利用することが可能。基本的にサービス内容はソフトバンクと同じ。
■海外パケットし放題
LINEMOの料金プランを契約していれば、ソフトバンクの「海外パケットし放題」を利用することが可能。基本的にサービス内容はソフトバンクと同じ。
詳しい使い方については下記記事を参照してください。
楽天モバイル
参考:楽天モバイル(公式)
國際ローミングサービスとして別途料金が発生することはないが、海外でのデータ通信量は従量課金制である国内の料金プランのデータ通信量に加算される。つまり国内で使用しているのと同じ状態。
データ容量は海外でのデータ通信用に2GB用意されている。超過した場合は国内での利用時と同様にチャージすることが可能。
利用しているブランドに応じた対応
ドコモを使っているなら
ドコモを使っているのであれば、海外で「世界そのままギガ」が利用できます。利用料金も国際ローミングサービスにしてはそれほど高くないので、スマホ1台持っていくだけでよい、という手軽さを考えれば使ってみるのもよいと思います。
「いや、もっと安くしたい」というなら、現地の空港で「プリペイドSIM」を購入するのがおすすめ。「SIMフリーのスマホを持っていない」または「プリペイドSIMを使うのはちょっと自信がない」というのであれば「レンタルWiFi」を利用するのがよいでしょう。
ドコモの「世界そのままギガ」には日数に応じたプランがあり利用期間に応じて料金が設定されています。下表に「3日間プラン」「5日間プラン」「7日間プラン」の料金を「プリペイドSIM」「レンタルWiFi」を利用した場合と比較してみました。
サービス | 利用料金(円) | ||
3日間 | 5日間 | 7日間 | |
パケットパック海外オプション | 2,480 | 3,980 | 5,280 |
プリペイドSIM(*1) | 約1,241 | 約1,241 | 約1,862 |
レンタルWiFi(台湾データ) | 1,770 | 2,950 | 4,130 |
*1 2022.1.30時点の為替レートで換算。主要3社(中華電信、台湾大哥大、遠傳電信)とも同じ価格。
やはり「プリペイドSIM」の安さが際立ちます。利用期間が長いほどその差は歴然ですね。「レンタルWiFi」は比較的利用料金の安い「台湾データ」と比べてみました。「プリペイドSIM」ほどではありませんがこちらも国際ローミングサービスに比べれば安いですね。
ahamoを使っているなら
ahamoを使っているのであれば、海外でも別途料金不要でデータ通信ができるのでスマホをそのまま持って行って利用するのがおすすめです。
わざわざ「プリペイドSIM」や「レンタルWiFi」を利用する必要はないでしょう。ただし国内で利用しているデータ容量20GBからデータ通信量が消費されるので、データ容量の残量には注意しておきましょう。
また、ahamoは海外で最初にデータ通信を利用した日(日本時間)から15日経過後の日本時間0時以降、海外滞在継続中であった場合に通信速度が送受信最大128kbpsに制限されます。この速度制限はデータ容量の残量に関係なく行われる(データ容量を追加購入しても解除されない)ので日本に帰国するまでは解除されません。15日を超える長期滞在の場合は注意が必要です。
au、UQモバイルを使っているなら
au、またはUQモバイルを使っているのであれば、海外で「世界データ定額」が利用できます。台湾の場合は事前予約すれば「早割キャンペーン」が適用されて1日あたり490円で利用することができます。
下表は「世界データ定額」「プリペイドSIM」「レンタルWiFi」を台湾で3日間、5日間、7日間利用した場合の料金の比較です。
サービス | 利用料金(円) | ||
3日間 | 5日間 | 7日間 | |
世界データ定額 | 1,470 | 2,450 | 3,430 |
プリペイドSIM(*1) | 約1,241 | 約1,241 | 約1,862 |
レンタルWiFi(台湾データ) | 1,770 | 2,950 | 4,130 |
*1 2022.1.30時点の為替レートで換算。主要3社(中華電信、台湾大哥大、遠傳電信)とも同じ価格。
これを見ると3日間ほどの利用であればそれほど料金の違いはないので、スマホをそのまま持って行って「世界データ定額」を利用するのもよいでしょう。
利用期間が長くなると「プリペイドSIM」の方がかなり割安になってくるので購入を検討してみるのもよいと思います。
「世界データ定額」は海外で利用したデータ通信量を国内の料金プランのデータ容量から消費します。特にUQモバイルのデータ容量が少量のプランなどは残量に注意しましょう。
ソフトバンク、Y!mobile、LINEMOを使っているなら
ソフトバンク、Y!mobile、LINEMOを使っているのであれば、海外で「海外あんしん定額」が利用できますが利用料金がやや高くデータ容量にも制限があるので正直あまりおすすめではありません。
台湾で3日間、5日間、7日間利用した場合を想定すると「プリペイドSIM」「レンタルWiFi」との料金の比較は下表のようになります。
サービス | 利用料金(円) | ||
3日間 | 5日間 | 7日間 | |
海外あんしん定額 | 2,940 | 4,900(*1) | 6,860(*2) |
プリペイドSIM(*3) | 約1,241 | 約1,241 | 約1,862 |
レンタルWiFi(台湾データ) | 1,770 | 2,950 | 4,130 |
*1 72時間プラン+24時間プラン+24時間プランの場合。
*2 72時間プラン+72時間プラン+24時間プランの場合
*3 2022.1.30時点の為替レートで換算。主要3社(中華電信、台湾大哥大、遠傳電信)とも同じ価格。
これを見ればもう価格の差は一目瞭然ですね。「プリペイドSIM」または「レンタルWiFi」を利用する方がおすすめなのは誰の目にも明らかでしょう。
楽天モバイルを使っているなら
楽天モバイルの国内向けの料金プランは従量制なので利用したデータ通信量によって料金が変動します。海外で使ったデータ通信量も国内使用分に合算されるので、国内・国外をあまり意識する必要はないでしょう。
その為、海外旅行用に敢えて「プリペイドSIM」や「レンタルWiFi」を利用する必要性は低いかと思います。
ただし、海外で楽天モバイルを利用する場合はデータ容量が2GBまで(データ容量の追加購入は可能)という制限があるので、長期滞在する場合は「プリペイドSIM」を併用するなど検討するとよいかと思います。
その他のブランドを使っているなら
上記以外のブランドを使っている場合は国際ローミングサービスによるデータ通信が利用できないので別の方法でネット接続を行う必要があります。
SIMフリーのスマホを持っているのであれば「プリペイドSIM」がおすすめ。SIMフリーのスマホを持っていない、或いは「プリペイドSIM」を使うのはちょっと自信がない、というのであれば「レンタルWiFi」を利用するのがよいでしょう。
(参考)おすすめのブランド、サービスは?
海外での利用の為にわざわざスマホを乗り換えるということはないかと思いますが、元々乗り換えを考えていた、というのであれば参考にしてください。
当然ながらほとんどの方はスマホの利用は国内がメインだと思います。その為、あくまでスマホの契約は国内利用を考慮して自分にあったブランド(通信事業者)を選ぶのがベストでしょう。
それを前提としたうえで、海外旅行で利用することも1つの判断材料とするならば以下にあげるブランド(通信事業者)をおすすめします。
■ahamo
海外で利用するにあたって別途料金は不要。申し込みの必要もなく国内と同じように使えるというのはかなり便利です。
使用したデータ通信量は国内の料金プランのデータ容量から消費されますが20GBあるのでよほど派手な使い方をしたり、長期滞在したりしなければ問題ないでしょう。
■UQモバイル
auの「世界データ定額」が使えるのでおすすめです。例えば台湾なら事前予約で1日あたり490円で利用可能。データ通信量は国内料金プランから消費されますが「くりこしプラン+5G」のMなら15GBなので余裕がありそう。Sは3GBですが渡航の前月から繰り越しておくなどして対応すればなんとかなりそう。
もちろんauでも同じ条件で「世界データ定額」が使えますが、国内向けの料金プランの月額料金が高いのでその点を考慮すると、どちらかというとUQモバイルの方がおすすめ。
■楽天モバイル
海外で使用したデータ通信量も契約している料金プランの従量制の仕組みに含まれるので別途料金は不要。
海外では2GBまで利用することができるので3泊4日ほどの滞在であればまかなえるでしょう。また2GBを超えた場合は1GB550円で追加購入することが可能。