
海外旅行に出かけたとき現地でネット接続するには「プリペイドSIM」「国際ローミングサービス」「レンタルWiFi」といったあたりが代表的な手段です。「国際ローミングサービス」はキャリアによってはちょっと高い、スマホにSIMロックがかかっているので「プリペイドSIM」は使えない、という場合は「レンタルWiFi」を利用することになるでしょう。
台湾は日本人にとっても人気の旅行先ということもあり利用できるレンタルWiFiは豊富。というわけで、ここでは「イモトのWiFi」「グローバルWiFi」「Wi-Ho!(ワイホー)」「台湾データ」「Sakura Mobile」「ラッキーWiFi」「jetfi」「 FAST-Fi」「WiFiトラベル」の9社のレンタルWiFiについて比較してみたいと思います。
目次
各社の料金比較
レンタルWiFiを利用する際の料金は基本的に各社とも以下のようになっています。
(利用料×レンタル日数)+(受取時の費用)+(返却時の費用)
+(任意:オプション料金)
■利用料×レンタル日数
プラン(データ容量)毎に1日分の利用料金が決まっていて、レンタルする日数分が利用料の合計額となります。
■受取時の費用
機器の受取りに関する費用(送料・手数料)。宅配や空港での受取りなど様々な受取方法が用意されています。方法によっては無料としているケースもあります。
■返却時の費用
機器の返却に関する費用(送料・手数料)。ポスト投函や空港での返却など様々な受取方法が用意されています。方法によっては無料としているケースもあります。
■オプション料金
補償、モバイルバッテリー、翻訳機などのオプションを付けた場合に発生する料金。もちろん必須ではありません。
ここでは各社(各サービス)の「利用料」「受取時の費用」「返却時の費用」の3つについて比較してみます。
プラン(データ容量)別の利用料を比較
下表は各社のレンタルWiFiの「4G/LTE」のプランを台湾で利用した場合の1日あたりの利用料金の一覧です。
グローバルWiFiについてはデータ容量が「300MB」「600MB」「1.1GB」「無制限」と、一部他と異なる(*部分)ので下表はそのように読み替えてください。
レンタルWiFi | 料金/日(円) | |||
350MB | 500MB | 1GB | 無制限 | |
イモトのWiFi | - | 1,080 | 1,580 | 2,080 |
グローバルWiFi | (*)1,170 | (*)1,370 | (*)1,570 | 2,070 |
Wi-Ho!(ワイホー) | 590 | 890 | 1,090 | 1,590 |
台湾データ | - | - | - | 590 |
Sakura Mobile | - | - | - | 680 |
ラッキーWiFi | - | - | - | 550 |
jetfi | 680 | 980 | 1,280 | 1,580 |
FAST-Fi | 410 | 560 | 980 | 1,080 |
WiFiトラベル | - | 1,250 | 1,450 | 1,750 |
最安は「FAST-Fi」の410円ですがデータ容量が350MBというのがちょっと心もとない。最もインパクトがあるのは「ラッキーWiFi」と「台湾データ」で、どちらもデータ容量無制限でそれぞれ550円、590円と、安さでは他を圧倒しています。
受取時の費用を比較
下表は各社のレンタル機器の受取りに関わる費用(送料・手数料)の一覧です。
基本的にどのサービスも宅配(自宅やコンビニなど)と空港での受取りには対応しているようです。また現地での受取りが可能なケースもあります。
レンタルWiFi | 受取時の費用(円) | |||
宅配 | 空港受取 | 現地受取 | その他 | |
イモトのWiFi | 550 | 550 | - | 0(*1) |
グローバルWiFi | 550 | 550 | - | 550 |
Wi-Ho!(ワイホー) | 1,100(*2) | 550 | - | - |
台湾データ | 0 | 0(*3) | - | - |
Sakura Mobile | 1,100 | 1,100 | 0 | - |
ラッキーWiFi | 0 | 0 | - | - |
jetfi | 660 | 0 | - | - |
FAST-Fi | 660 | 0 | - | - |
WiFiトラベル | 0 | 1,080 | - | - |
*1 東京本社での受取の場合無料。
*2 送料(550円)+手数料(550円)。利用料の合計額が3,000円以上の場合送料(550円)が無料。
*3 羽田空港での受取が22:00を過ぎた場合別途深夜受取手数料200円が必要。
ここでも「ラッキーWiFi」と「台湾データ」の安さが目立ちます。両社とも「宅配」「空港受取」のいずれも無料となっています。
また「Sakura Mobile」は現地空港(「桃園空港 第1、第2ターミナル」「台北松山空港」)での受取りに対応しており無料となっています。ただし返却は受取時と同じ場所で行う必要があります。
返却時の費用を比較
下表は各社のレンタル機器の返却に関わる費用(送料・手数料)の一覧です。
レンタル機器とともに同梱された返却パックを利用したポスト投函が一般的です。サービスによっては空港(カウンター・返却BOXなど)での返却にも対応しているようです。また現地での返却が可能なケースもあります。
レンタルWiFi | 返却時の費用(円) | |||
宅配 | 空港返却 | 現地返却 | その他 | |
イモトのWiFi | 実費(*1) | 0 | - | 0(*2) |
グローバルWiFi | 実費 | 0 | - | - |
Wi-Ho!(ワイホー) | 実費(*1) | 0 | - | - |
台湾データ | 0 | - | - | - |
Sakura Mobile | 0 | - | 0 | - |
ラッキーWiFi | 450(*3) | - | - | - |
jetfi | 715(*3) | - | - | - |
FAST-Fi | 715(*3) | - | - | - |
WiFiトラベル | 370(*3) | - | - | - |
*1 着払いの場合1,100円。
*2 東京本社での返却の場合無料。
*3 同梱の返却パックを利用しない場合は実費。
「イモトのWiFi」「グローバルWiFi」「Wi-Ho!(ワイホー)」は空港での返却を利用すれば無料。「台湾データ」「Sakura Mobile」は宅配での返却が無料となっています。また「Sakura Mobile」は現地でレンタル機器の受取りをした場合は現地で返却することになります。
各社のレンタルWiFiの特徴
イモトのWiFi
参考:※画像はイモトのWiFi HPより引用
利用料金は他社に比べてやや高めである(ただしサポート体制や受取方法の柔軟さのせいか人気はあると思われる)。ただし「30日前:10%オフ」「45日前:15%オフ」「60日前:20%オフ」と、事前に予約することで利用料金が割引きとなる。
一部の空港ではカウンター以外に「イモトのロッカー」による受取りが可能。また東京本社での受取・返却を利用した場合は受け渡し手数料が無料となる。
渡航先からの問い合わせ方法としてメールや通常の電話番号の他「国際フリーダイアル」が用意されている。
数種類の補償、翻訳機(ポケトーク)、モバイルバッテリー、USBポート、360°カメラなどオプションが豊富。
※このときは3Gのプランを利用
グローバルWiFi
参考:※画像はグローバルWiFi HPより引用
他社に比べて利用料金はやや高め。ただしよほど直前でない限り早割が適用されるので若干安くなる。適用は「WEB規定申込期限前に申し込み」が条件であり、受取方法や空港/国内カウンターによって申込期限が異なる。詳細は下記参照。
参考:お申込みの期限とお支払い方法のご案内 (グローバルWiFi)
渡航先からの問い合わせにおいて、電話(海外専用ダイヤル)やメールの他、無料通話アプリの「LINE」や「Skype」を利用することが可能。
数種類の補償、翻訳機、モバイルバッテリー、ミニフォトプリンター、GoPro、360°カメラなどオプションが豊富。翻訳機は「ポケトーク」の他に「ili(イリー)」も選べる。
Wi-Ho!(ワイホー)
参考:Wi-Ho!(ワイホー)(公式)※画像はWi-Ho!(ワイホー) HPより引用
利用料金が3,000円以上の場合は宅配による受取りの送料550円が無料となる。この場合、返却を空港で行えば受取・返却の費用は発生しない。
「直前予約サービス(550円/件)」を利用すると、予約した30分後に空港カウンターでWiFiルーターの受け取りが可能。緊急時などは便利。
台湾データ
参考:台湾データ(公式)
※画像は台湾データ HPより引用
データ容量無制限で利用料金が1日あたり590円という低価格に加え、宅配による受取・返却がともに無料という圧倒的な安さを誇るレンタルWiFi。
さらに1ヶ月前以上に予約することで「早割」が適用され利用料金が10%オフとなる。
オプションとして翻訳機「POCKTALK(ポケトーク)」のレンタル(1日580円〜)が利用できる。
Sakura Mobile
参考:【SakuraMobile海外Wifi】
※画像はSakura Mobile HPより引用
宅配(または郵送)、及び国内空港での受取りは手数料が1,100円と高いが、返却時は無料となっている。
また、現地の空港で受取・返却が可能でいずれも手数料が無料。対応しているのは「桃園国際空港 第1ターミナル・第2ターミナル」と「台北松山空港」。
※現地受取りの場合は返却も現地(同じ場所)となる。
データ容量無制限で1日あたりの利用料金が680円と、他社に比べて比較的安い。
ラッキーWiFi
参考:ラッキーWiFi(公式)
※画像はラッキーWiFi HPより引用
データ容量無制限で利用料金が1日あたり550円という驚異的な安さ。データ容量500MB以上のプランでは、ここで比較する9社の中では最も安い。
ただし要注意事項が1点。レンタル機器の受取りにおいて、宅配・空港受取ともに機器が届くのがプラン開始日当日(レンタル期間の初日)ということ。つまり申し込みの際、レンタル期間を「出発日~帰国日」にすると出発日当日に機器が届くことになるので、タイミングによっては受け取れなくなってしまうということが起こり得ます。
例えば「午後の出発なので午前中に家を出なければならないのにまだ届かない」或いは空港で「もうすぐ出発で保安検査に行かなければならないのにまだ届かない」ということになりかねません。
その為、よほど出発時間に余裕がない限りは(深夜の出発など)出発日の前日をレンタルの開始日にする必要があります。つまり1日分余計に費用が発生するということです。
オプションとしてスーツケースのレンタル(3,500円/3日)が利用できる。また返却用の返送用封筒(450円/1通)もオプション扱いとなっているので利用する場合は申し込み時に選ぶ必要がある。
jetfi
参考:jetfi(公式)
※画像はjetfi HPより引用
宅配での受取りの場合、コンビニや郵便局(空港内のコンビニ、郵便局も可)を指定することができる。
また、空港カウンターで受取りの場合は手数料無料(空港内のコンビニ、郵便局の場合は手数料660円)となる。
レンタル期間中に渡航先で電話機能が利用できる「jet-phone(198円/日)」をオプションとして提供している。
FAST-Fi
参考:FAST-Fi(公式)
※画像はFAST-Fi HPより引用
350MBのプランでは、ここで比較する9社の全プランの中で最安の410円/日。また500MBのプランも560円/日とかなり安い。
空港での受取りは送料無料。対応可能な空港は成田空港、羽田空港、関西国際空港。
渡航先から日本へ電話を掛けることができる「ポータブルWiFi電話(187円/日)」をオプションとして提供している。
WiFiトラベル
参考:WiFiトラベル(公式)
※画像はWiFiトラベル HPより引用
利用料金が他社に比べて比較的高い。
宅配(ゆうパケット、宅配便が選択可)での受取りは送料無料だが、空港での受取りの場合は手数料(1,080円)が発生する。
オプションとしてスマートフォンやタブレットのレンタルも行っている。
おすすめのレンタルWiFi
■台湾データ
データ容量無制限で590円/日という格安の料金に加え受取・返却の費用も不要と、文句なしにおすすめのレンタルWiFi。
■Sakura Mobile
「台湾データ」には及ばないが、データ容量無制限で680円/日はじゅうぶん安い。
利用するなら現地での受取・返却が手数料無料なのでおすすめ。
■グローバルWiFi
利用料金は比較的高めですが、サポートがしっかりしているのでより安心を求めるのであればおすすめのレンタルWiFi。24時間365日サポートなので旅行中にトラブルがあっても連絡を取ることが可能。
また、電話以外に「LINE」「Skype」でも対応(いずれも24時間対応)しているので、ホテルなどWiFiが利用できる環境であれば固定電話を使う必要がなく便利。
■イモトのWiFi
こちらも利用料金は高いのですが、24時間365日対応などサポートが充実しているので万が一のトラブルを心配する方には選択肢に入るでしょう。
また、渡航先からの問い合わせについては、通常の電話番号の他「国際フリーダイヤル」が用意されているので、固定電話からの連絡であれば通話料がかかりません。
まとめ
レンタルWiFiを選ぶ際のポイントは大きく分けて「安さ」と「サポート」。
例えば、そもそも「国際ローミングサービス」が高いので「レンタルWiFi」を利用することにしたのに、料金があまり変わらなければ意味がありませんよね。それならスマホ1台持っているだけでよい「国際ローミングサービス」を使った方がよいに決まっています。
とはいっても「サポート」もやはり大切。故障や不具合はまず無いと言ってよいと思いますが、万が一ということもあります。また、盗難や紛失などはじゅうぶんに起こり得ることでしょう。
オプションで補償があるとはいえ、金銭的な問題が解決したとしても旅行中に機器が利用できない状態になってしまうと楽しみも半減。また、トラブル解決の為に貴重な時間を費やすのも考えものです。
ということで、ある程度サポート面は妥協して安さを求めるか、或いは少々高くなってもサポートが充実している方を求めるか、自分に合ったレンタルWiFiを選ぶとよいでしょう。