1908年創業、100年を超える歴史を持つ台中を代表する伝統菓子の名店「陳允寶泉」。現在は5代目がその伝統を受け継いでいます。興味深いのは現在までにさまざまな変遷を経ていること。特に2代目は日本へ渡り東京で「宝泉製菓本舖」というお店を設立したといのは驚きです。現在は台中駅前の本店を含め台中と台北にそれぞれ2店舗を展開しています。今回は本店に行ってみましたのでお店の様子や販売しているお菓子を紹介したいと思います。
陳允寶泉
本店は台中駅前エリア
陳允寶泉の本店は台湾大道近くの自由路沿い、歴史的建築物で知られる彰化銀行(本店営業部)のすぐそばにあります。お店の背後に見えるのは彰化銀行の建物ですね。台中駅からは徒歩で7、8分といったところです。
お店の中は意外にシンプル。入ってすぐに大きなカウンターがあり奥ではスタッフが何やら作業している様子が伺えます。商品は中ほどの位置に陳列されています。
パイナップルケーキは原味鳳梨酥、土鳳梨酥の2種類。それにパイナップルは入っていませんが同じ形をした柴燒桂圓酥(リュウガンケーキ)もあります。
台中と言えばやはりこれ。太陽餅ももちろんありますよ。
こちらも台湾の定番土産の牛軋糖(ヌガー)。杏仁、棗(ナツメ)の他、榴槤(ドリアン)なんていうちょっと変わったフレーバーもあります。
これはマカダミアナッツのタルト。
三代目が開発した小月餅や、小月餅に日本の菓子技術を応用した御丹波など陳允寶泉ならではの伝統菓子も。
陳允寶泉のお菓子を紹介
■原味鳳梨酥
原味ということでいわゆる一般的なパイナップルケーキです。
ほぼ正方形で大きさはほどほどですね。
クッキー生地の食感はサクサク、しっとりの中間くらいでバランスのよい感じ。パイナップル餡はやや果肉感がありますが滑らかで食べやすいです。甘さもしっかりあって美味しいですね。
■土鳳梨酥
「NATIVE PINEAPPLE」と書いてあるのでおそらく1號~3號の品種のパイナップルを使ってるのでしょうか? ちょと詳しいことはよく分かりません。
原味鳳梨酥に比べるとはっきりした果肉感があります。土鳳梨酥ということで酸味もあるかと思ってましたがそれほどでもありませんね。わりと食べやすい味です。
■柴燒桂圓酥
土窯で燻して作った柴燒桂圓(リュウガン)を使用したリュウガンケーキ。パイナップルが入ってません。
思ったほどリュウガン特有のクセがない餡ですね。誰でも食べやすい味、という一方でリュウガンの風味を期待していた人にはちょっと物足りないかも、とも言えるかも。味自体はとっても美味しいですよ。
■太陽餅
台中と言えばやっぱり太陽餅。ということで買ってみました。
パイのような生地にほのかに甘い優しい味の麥芽糖の餡がよく合います。