
嘉義の名物料理といえば間違いなく「火雞肉飯」をイメージする人がほとんどですよね。他には? と問われて出てくると思われる料理の1つが「沙鍋魚頭」。しかし「火雞肉飯」の人気店は嘉義にたくさんあるのに対して「沙鍋魚頭」は「林聰明沙鍋魚頭」というお店が圧倒的に人気あり。という最早「沙鍋魚頭」=「林聰明沙鍋魚頭」というほどなんですよ。
林聰明沙鍋魚頭
創業70年を超える老舗
嘉義市の文化路と光華路に挟まれた中正路沿いには人気のあるお店が多く観光客と思われる人が多く見られます。週末には若者の姿も目立ってましたね。
人通りが多い要因の一つが間違いなくこちらのお店「林聰明沙鍋魚頭」。嘉義を代表するお店と言っても過言ではない超人気店です。1953年創業ということで70年以上続く老舗中の老舗。
店舗が日本統治時代に眼科として使用されていた古い建物を使用しているということでも知られています。となりのこの高層の建物もお店の一部のようですが後から増設したのかな?
ここだけなんだか派手な外観ですが、配送部門か何かなのでしょうか?
店頭では大きな鍋がいくつも並んでいて調理している様子が伺えます。訪れるお客さんが多いので量もすごいですね。
外帶(テイクアウト)にも対応しているので忙しそう。しかし鍋料理までテイクアウトするというのはさすがテイクアウト大国の台湾ならではですね~。
沙鍋魚頭には欠かせない具材。揚げた魚頭が鍋に山積みされてます。
だいたいいつも行列ができているので先ずは人数を入力して番号札を取ります。
自分の番号が表示されたら席に案内されるというシステム。
待ってる間にオーダーシートを記入しておきましょう。右が內用(イートイン)用、左が外帶(テイクアウト)用のオーダーシートです。下にペンもありますよ。
このときはすぐに順番が来たので指示された席でメニューを選んで桌號(テーブル番号)も記入してますが、まだ並んでいるときは桌號は空欄でOK。記入したらレジに持っていって精算します。
店内はかなり広々として席数も充実しています。
奥にもスペースあり。グループのお客さんが多いのでテーブル席がメインですね。
コクのあるスープが絶品
注文したのは「沙鍋菜+魚肉」の1人份。それに「太陽蛋魯肉飯」「蘆筍(アスパラガス)」もいただきました。ほんとは「筊白筍(マコモダケ)」を食べたかったのですが残念ながら売り切れということで「蘆筍」に変更。
沙鍋菜+魚肉・1人份(120元)、太陽蛋魯肉飯(70元)、蘆筍(60元)
スプーンや小皿はこちらから。箸は各テーブルに用意されています。
さて、初めて食べます「沙鍋菜+魚肉」。揚げた魚の身の上にスープとともにさまざまな具が盛られています。2~3人份まではご覧のように器で提供されますが4~5人份だと鍋で出てきます。
魚頭ではないのですが魚肉の方が可食部は多そう。大きさは器とほぼ同じくらいの幅ですね。
魚肉は鰱魚という淡水魚が使用されています(メニューによっては鮭魚(鮭)や龍虎斑魚(ハタ)などあり)。かなり小骨が多いので食べるときは注意が必要ですね。
魚肉以外(沙鍋菜の部分)は白菜、木耳、豆腐、豆皮、蝦米(干しエビ)、扁魚(ヒラメの仲間)、豬肉など。魚肉よりむしろこちらの方がスープの味が染みてて美味しい。そしてそのスープがとにかく美味。ココナッツミルクのような風味があって(本当に入っているわけではない)すごくコクがあるんですよ。特製の沙茶醬を加えているということらしいのですがこんな味になるのか・・・ と感心しましたね。
ご飯ものからは「太陽蛋魯肉飯」を。これを見た瞬間「なんだか日本っぽい」と思ってしまいましたね。日本のお店が魯肉飯を作るとそぼろ肉というよりこんな感じに存在感のあるお肉になるような気がするのですが・・・
半熟の太陽蛋(目玉焼き)も鮮やかな黄色が印象的です。
嘉義ならではの「涼菜」から「蘆筍(アスパラガス)」(ほんとは「筊白筍(マコモダケ)」食べたかった・・・)。
付け合わせのマヨネーズでいただくのですがこれが台湾ならではの味でちょっと甘味があります。色も黄色っぽくなくてやや半透明な感じです。
さて、別に日の改めて訪問したのですがこのときは2人で本店のすぐ近くにある「光華分店」へ。本店に比べるとお店は小さいのですがそれほど混んでないのですぐに店内に案内されました。
メニューはほぼ同じなのですが「沙鍋料理」の3~4人份が無いのと、魚頭・魚肉の魚種が選べないところが本店とは違うようです。
というわけでこの日注文したのはこちら。
沙鍋菜+魚頭・2~3人份(350元)、火雞肉飯(40元)、白飯(10元)、鹹菜桂竹筍・乾(60元)、沙魚燻(80元)
「鹹菜桂竹筍」という名前の通り鹹菜(酸菜)と桂竹筍(タケノコの一種)を煮たものでスープ有り(湯)とスープ無し(乾)が選べます。桂竹筍のシャクシャクとした食感がよいですね。
サメ肉の燻製「沙魚燻」。
甘辛いタレとワサビでいただきます。臭みなどはなくなかなか美味しい。
嘉義の涼菜ではよく見かける「三色蛋」。皮蛋と鹹蛋(塩漬け卵)を溶き卵に入れて蒸すという調理法の違う3種類の卵料理が一体となった一風変わったメニューです。
こちらもマヨネーズで!
お客さんはやっぱり観光客が多いでしょうからしっかり「火雞肉飯」もメニューに用意されています。嘉義のもう一つの名物料理も同時に楽しむことができますよ。
専門店ではありませんがなかなかどうして美味しいです。
さて、そしてメインの「沙鍋菜+魚頭」。1人份とは当然ながら量が違うわけですが内容は魚肉が魚頭に変わっただけで同じ、かと思ったらよく見ると香菜?は1人份には無かったような・・・
今回は魚頭を選んでみました。やっぱり「沙鍋魚頭」なので食べてみたいですよね。
ひっぱりあげて見るとけっこうデカい。
しかしやはり可食部が少ないんですよね。そして小骨が多いのでなかなか食べるのに難儀しました(笑)。
何といってもスープが美味しいのでご飯といっしょに食べるとこれがウマい。そういう意味では敢えて白飯を選ぶのもありですよ。
どうしても魚が注目されがちなのですが実は具だくさんの野菜類がほんとに美味しいんですよ。当たり前ですが骨など無いので(笑)気にせずパクパク食べれます。
この豆皮もスープをよく吸っていい味になってます。実際、魚はおまけ程度に考えてスープと野菜などの具材を味わうつもりでいた方が楽しめると思いますよ。ほんとにこれは人気なのも頷ける美味しい鍋料理でした。
「沙鍋魚頭」は圧倒的にこちらの「林聰明沙鍋魚頭」が有名なのですが嘉義市内に他にも数軒、また嘉義以外でも扱っているお店があるようなので、ちょっと他店の味がどうなのか興味が出てきました。機会があれば他でも食べてみたいと思います。
店舗情報
住所 | (中正總店)嘉義市東區中正路361號 |
営業時間 | 12:00~20:00 |
休日 | |
リンク | 林聰明沙鍋魚頭 |