台中のど真ん中にこんなおもしろスポットが! いや〜、個人的に台中が気に入ってて、いろいろと紹介しているのですが、一番困るのが観光スポットなんですよね。旅行雑誌などでよく取り上げられているのは寶覺禪寺とか台中公園なんですが、どうも今一つ・・・ ちょっと足を延ばせば無いことはないのですが台中中心部となると、うーん・・・という感じです。がしかし、最近まで全く気づかなかった(何で誰も教えてくれない・・・(笑))のですが、かなりインパクトのある場所を見つけました。というわけで今回は台中の南天宮を紹介します!
目次
台中南天宮
ビルの谷間から覗く関羽像はインパクトあり!
台中南天宮は台中駅から1㎞ほど離れた線路沿い近くある關聖帝君を祀った廟。關聖帝君、つまり関羽のことですね。この南天宮がなかなかインパクトのある廟なんですよ。
南天宮は自由路という大通り沿いにあり、建成路との交差点に門があるのですが・・・
この門からではなく・・・
こちら、南天宮の正面から延びる自由路三段314巷という細い通りに南京路から入ると・・・
ビルの谷間にドーンと鎮座する巨大関羽像が出現!! 街中の屋根の上に関羽、なんかすごい光景です・・・
台湾の旅行雑誌ではいつも少ないページ数で紹介される台中ですが、だいたい載ってるのは寶覺禪寺とか台中公園だったりします。いやあ、個人的にはこっちの方がオモシロ度合いからいってよっぽどインパクトがあるのだが。
近づいてみるとなかなか迫力があります。こんなにデカくて建物潰れないのかな・・・
入場無料、1階は8時前から参拝可
正面から見ると分かり難いのですが南天宮は前殿と後殿に分かれています。伝統的な作りの前殿の背後にビルのような作りの後殿があり関羽像は後殿の最上階に建造されているというわけです。
パッと見た感じあまり高さはなさそうなのですが実は6階まであります。2階から上は8時以降でないと入ることができませんが、1階は8時前でも見学することができます。
それを知らずにこの日は8時前に来てしまったので8時になるまでとりあえず1階を見学することにしました。入場料はなく自由に参拝可能です。
入口の天井には見事な絵が描かれています。
もちろん祀られているのは關聖帝君、関羽様です。それにしても台湾の廟って電光掲示板をよく使うんですよね〜。もう馴れましたけど最初見たときはちょっと驚きましたよ。
朝早くから熱心にお祈りしてる人がいます。
両脇に通路があって奥へ進むことができ、奥には上層階へ上がる階段とエレベーターがあります。
孔子が祀られています。台座に書かれてあるように至聖先師とも呼ばれています。台湾では孔子の誕生日である9月28日は教師節(教師の日)とされています。
殷の時代の王、紂王の叔父に当たる財神爺比干。封神演義にも出てくる人物で紂王の暴政を諌めようとしましたが紂王によって殺害されてしまいます。
黄金の牛の像が。うーん、なかなかリアルですね。しかし、目が・・・ 顔だけ真っ赤だし何か怖いよ・・・
ふと上を見上げると提灯が。こういうところがアンバランスにかわいかったりします。
福徳正神の他、徳正神、福徳老爺、土地公公、土地伯公、福徳公、土地公、土地爺、地主公、 福徳、土公、土地、土伯、土正、地主、社神、社公、社官、后土などとさまざまな呼び名がある神様。民間で最も普遍的に信仰されるその土地の神、いわゆる守護神ですね。
龍亀の像。何かガメゴンみたいですね。風水に用いられたり、招財の働きがあるとされています。頭が龍で体が亀ということですが、足も龍ですよねこれ。
南宋の武将であった岳飛。武勇に優れた人物でしたが冤罪によって謀殺され、冤罪が晴れた後に岳王の名が与えられました。
1階から6階に祀られている神様が紹介されています。
1階だけでも結構いろいろあります。ぐるっと1周見て回ったところで、やっと8時になって階段が開放されたので上の階へ行ってみましょう。
2階〜6階は8時以降に開放
南天宮 2階
まずは2階。ここには3柱の神様が祀られています。
学問の神様、文昌帝君。元は張亜子という名前の神様でしたが、お祈りすると科挙(中国の官僚登用試験)に合格すると信奉され学問の神として知られるようになりました。
なんか椅子が置いてありますが・・・ 座っていいのかな? いいよね? いや、座りませんでしたが(笑)。
五文昌。文昌帝君をはじめ、魁星星君、朱衣神君、純陽帝君、文衡帝君の五柱の神様が祀られています。
赤兔馬(赤兎馬)。関羽が乗りこなした「一日に千里を走る」とされる三国志に登場する名馬。
月老星君、つまり月下老人として知られる恋愛を司る縁結びの神様ですね。英語の説明書きでChinese Cupidとかかれてましたが、Cupid(キューピッド)と言われると何かピンとこないですね(笑)。
南天宮 3階
3階にも関羽様がおられます。他に2柱の神様が祀られています。
天上聖母、いわゆる媽祖として知られる中国東南の沿海部を中心に信仰される航海や漁業の守護神、道教の女神。天后、天后娘娘、天妃、天妃娘娘、湄洲娘媽などとも呼ばれます。
註生娘娘、一般に註生媽とも呼ばれる安産、子供の守護を司る神様です。
前殿の屋根を背後から見ることができます。外からだと分かり難かった部分などがはっきり見えますね。こうして見るとずいぶん手の込んだ装飾が施されているのが分かります。
南天宮 4階
4階にもまたまた関羽様。そして他に2柱の神様がおられます。
ちょっと分かりにくですが奥に見えるのは保生大帝という医療・医学を司る神様。生前は本名を呉夲(本とは異なる字)と言い優秀な医者として知られていました。
觀世音菩薩、いわゆる観音菩薩。こちらは日本でもよく知られるお馴染みの神様ですね。
4階まで来るとなかなか見はらしが良くなってきますね〜。
南天宮 5階
5階まで来ました。5階には天公爐があり、他に5柱の神様が祀ってあります。
玉皇大帝。玉帝、玉皇とも呼ばれる道教における最高神。
正式には北方真武玄天上帝、或いは北極玄天上帝と呼ばれる北方の守護神、玄天上帝。天の四方の方角を司る中国の霊獣の四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)の内、玄武を神格化したもの。
孚佑帝君とは酔拳でお馴染みの八仙(呂洞賓、李鉄拐、漢鍾離、張果老、藍采和、曹国舅、韓湘子、何仙姑)の一人、呂洞賓のことです。孚佑帝君をはじめ八仙は民間に広く信仰されています。
道教において北斗七星が神格化されたものが北斗星君。死を司る神様で死者の生前の行いから地獄の行き先を決めるという、日本でいう閻魔大王のようなイメージでしょうか。
前殿の屋根を見下ろすほどの高さになりました。
南天宮 6階
やっと最上階まで来ました。6階は中心の部屋を取り囲むように周囲に通路が設置されています。
最上階には関羽様の他に2柱の神様が祀られています。
一つはこちらの上元賜福天官大帝。道教において、1年の内で上元、中元、下元という3つの日を表す三元を司る神の三官大帝。その三官大帝の1つが上元賜福天官大帝です。
もう一つは正一龍虎玄壇真君。趙公明という名の道教の神。かつて各地にあった趙公明が祀られた廟では黒面で黒虎にまたがった姿でよく知られています。
6階は部屋の外がテラスのようになっていて、外に出ると四方から周囲を見渡せるようになってます。眼下に台中の街が広がっていい眺めですね〜。
やっぱりここまでくると結構な高さがあるのが実感できますね。
なんだか微妙な像がありますが・・・(笑)。
真上には例の巨大関羽像が。こちらは背中側です。正面に回ってみましょう。
真正面には庇があって上が見えないので、若干斜めからしか見上げることができません。右側からだとこの程度しか・・・
左側から。右側よりちょっとよく見えますかね。なんとかお顔を拝むことができます。しかしやっぱりデカい。6階の部屋にも上へ上がる階段があって、たぶん関羽像の中へ続いているのではないかと思うのですが残念ながら封鎖されていました。いつか開放されるんでしょうかね?
まとめ
台中の観光スポットはどこ? って聞かれると実際頭を抱えるんですよね。市民廣場や草悟道のような散策を楽しむ場所、または第二市場や逢甲夜市のようなグルメスポットはあるのですが、具体的に何かを「見る」という場所ってあまり思いつかないのです。
台中に住んでいる友人に聞いても「うーん・・・ 無い」と、おいおい(笑)。高美湿地や大坑風景区などありますがちょっと遠いんですよね。
地元に住んでる人でさえそんな風なので「やっぱり何もないのか・・・」と思ってたら、こんなインパクトのある場所を見つけました。しかも台中のど真ん中に、灯台もと暗しです。「何だよ、早く教えてよ〜」ってどうも地元民はあまり大したものだと思ってないようです(笑)。
台中駅からも近いので簡単に行けます。駅からバスで行く場合は以下の二通り。
1.台中公車33番線:中國醫東區分院のバス停で降りて徒歩約2分
2.統聯客運75番線:明功堂醫院のバス停で降りて徒歩約5分
台中南天宮はHPもしっかり作られていて(ちゃんと英語表記もあります)、地方の廟にしてはなかなか情報提供がしっかりしています(そのわりに参拝時間がよく分からなかったりするのですが(笑))。事前にいろいろと調べていくとよいと思いますよ。