永樂市場は民族路と國華街の交差点の一角にある2階建ての建物からなる伝統市場で正式名称「永樂公有零售市場」といいます。市場が面した國華街には名だたる小吃店が立ち並び、カラフルな看板がズラーと連なる様は壮観です。
ここ永樂市場はその周辺エリアも含め、台南の数あるグルメスポットの中でもトップクラスの存在。「初めて台南に来たならまずはここへ」「どこでご飯をたべようか迷ったらとりあえず永樂市場へ」と言っても言い過ぎではないほど台南を象徴するエリアです。
ここへ来れば「牛肉湯」「鱔魚意麵」「碗粿」「土魠魚羹」「米糕」など台南の名物料理を一通り食べることができるほどバリエーションも豊富。というわけで今回は「永樂市場」とその周辺の雰囲気やおすすめのグルメを紹介したいと思います。
永樂市場の場所
台湾の特集が組まれた2017年7月15日に発売された雑誌BRUTUSの表紙を飾ったのが何を隠そう永樂市場のある國華街。当時この写真が台湾で議論を巻き起こしたのは記憶に新しいですね。
永樂市場は民族路から民權路にかけて國華街に沿いに建つ2階建ての建物からなっています。この建物の1階、さらに國華街を挟んだ反対側には小吃店がビッシリと軒を連ねているのです。その中には台南の中でもかなり知名度のあるお店も数多く含まれているんですよ。
永樂市場とその周辺の雰囲気
民族路側から國華街を見た最も有名な風景。BRUTUSの表紙を飾ったのもまさにここ。右の建物が永樂市場ですね。
民族路側にある「永樂市場金三角」と呼ばれる人気の3軒「阿松割包」「富盛號碗粿」「金得春捲」。行列ができる人気ぶりはさすが。でも「阿松割包」はわりと空いてるんですよね。
こちらも人気の碗粿と魚羹のお店「一味品碗粿魚羹」。
「石精臼蚵仔煎」。蚵仔煎、つまり牡蠣オムレツのお店ですね。
「民族燒肉飯」。燒肉飯ってあまり聞かないと思いますが結構美味しいんですよ。
朝から晩まで大勢の人で賑わっています。
サワラのフライに甘酸っぱいとろみスープをかけた台南名物の1つ土魠魚羹のお店「好味紅燒土魠魚羹」。
ここも行列ができてます。野菜や牡蠣を衣で揚げた蚵嗲が看板メニューの「春蚵嗲」。台南名物の蝦捲もありますよ。
コーヒーの屋台もあったりします。
台南では朝ごはんによく食べられる牛肉湯ですがここは夜遅くまでやっている「潘家牛肉湯」。
海鮮スープが人気の「水仙宮三兄弟魚湯店」。ここも行列ができてますね。
永樂市場とその周辺のおすすめグルメ
民族路の入り口付近に集まる「永樂市場金三角」と呼ばれる人気3店の1つ「阿松割包」。割包(刈包とも呼ばれる)というのは饅頭(中華風蒸しパン)切り込みを入れ豚角煮、酸菜、ピーナッツ粉などを挟んだ、さながら台湾式バーガーといった伝統的小吃。こちらの割包は普通包、豬舌包、痩肉包の3種類。ピーナッツソースがいい味を出してます。
食レポ:【阿松割包】台南で台湾式バーガーといえばここ、永楽市場の人気店
「永樂市場金三角」と呼ばれる人気3店の1つ、創業70年を超える老舗「富盛號碗粿」。「碗粿」というのはお米の粉を水で溶いてお碗に入れて蒸したもの。地域によって味付けや具材などが異なり、南部の「碗粿」は中に豚肉、シイタケ、エビなどがたっぷり入っているのが特徴。箸ではなくフォークで食べるのも面白い。「碗粿」だけで物足りないときはつみれ入りのスープもいっしょにどうぞ。
食レポ:【富盛號】永楽市場金三角と呼ばれるお店で台南の伝統料理 「碗粿」を食べてみた
「永樂市場金三角」と呼ばれる人気3店の1つ「金得春捲」。いつも行列ができているこのお店で売られているのは1個40元の春捲のみ。手のひらに収まらないほどの大きな春捲にはキャベツ、香菜、ニンニク、玉子、エビ、豚肉、更には砂糖を合わせたピーナッツ粉がたっぷりと。このピーナッツ粉がいい味をだしてるんですよ。
食レポ:【金得春捲】いつも行列が絶えない、台南永楽市場エリアの人気の春巻き
民權路寄りにある鱔魚意麵のお店「黃記鱔魚意麵」。「水仙宮米糕」というお店と同じ店舗で営業しているという変わったスタイル。田ウナギを使用した鱔魚意麵も台南グルメの代表格として外せない料理。強火で一気に炒めた田ウナギと意麵の組み合わせは見た目は悪いけどこれが病みつきになる美味しさなんですよ。
食レポ:【黃記鱔魚意麵】見た目はアレだけど味は最高! 永楽市場近くの田ウナギの人気店
上述の「黃記鱔魚意麵」と同じ店舗で営業している米糕のお店「水仙宮米糕」。南部の米糕は北中部と違っておわん型に整えられることはなく、盛られたもち米に肉燥(魯肉と同じ肉そぼろ)、魚鬆(魚のデンブ)、小黃瓜(キュウリ)、花生(ピーナッツ)などをトッピング。濃いめの味付けもまた台南の特徴です。
食レポ:【水仙宮米糕】これぞ台南の味、創業60年以上の老舗で食べた南部の米糕
永樂市場の斜向かいにある焼肉飯のお店「永樂燒肉飯」。炭火で焼いた豚肉をご飯にのせた焼肉飯は豚丼を思わせる一品。シンプルな料理ながら豚肉の香ばしい香りが食欲を刺激します。焼肉飯を注文すると味噌湯(味噌汁)とサラダが無料で付いてくるのですが一緒に出てくる袋入りのマヨネーズの味が甘いのも面白い。
食レポ:【永樂燒肉飯】炭火で焼いたお肉が香ばしい、永樂市場近くの焼肉飯を食べてみた
創業60年を超える老舗「江川肉燥飯」。南部では魯肉飯(滷肉飯)のことを肉燥飯と呼ぶことが多く北部に比べて味付けが甘めなのが特徴です。こちらのおすすめはもちろんその肉燥飯。それに加えて店頭にズラッと並んだバリエーション豊富な小菜から好きなものを選べば自分だけの定食が完成です。
食レポ:【江川肉燥飯】永樂市場近くで営業する創業60年以上の肉燥飯の名店
永樂市場の1階で営業する牛肉湯の専門店「永樂牛肉湯」。台南では朝食によく食べられる牛肉湯ですが、こちらもやはり朝食向けのお店。なんと朝3時から営業しているから驚きです。近所に住む人がふらっとやって来て牛肉湯と白ご飯をサッと食べて帰っていく。そんなお手本のような台南の朝の風景が見られるお店です。
食レポ:【永樂牛肉湯】台南らしくフラッと立ち寄ってサッと食べていく永楽市場の牛肉湯
「永樂牛肉湯」が朝食に特化したお店であるのに対して「潘家牛肉湯」は夜遅くまで開いている牛肉湯のお店。メニューも牛肉炒飯、牛肉燴飯、麻油牛肉、蔥爆牛肉、芥藍牛肉、高麗菜牛肉などなど晩ごはんにガッツリ食べられる料理も揃っています。もちろん主役の牛肉湯が美味しいのは言うまでもありません。
食レポ:【潘家牛肉湯】國華街、永樂市場の深夜食堂で食べた牛肉湯と牛肉燴飯
どのお店も昔からそうであったように自然体で営業している中、ここだけ商売気満々なのが逆に面白い豆花のお店「修安扁擔豆花」。大きな看板に描かれているようにかつての老闆は桶に入った豆花を天秤棒で担いで売り歩いていたんだとか。メニューも豊富で自家製の4色の粉粿をトッピングした豆花などがおすすめ。
食レポ:【修安扁擔豆花】台南の永楽市場で食べた4種の粉粿をトッピングした豆花
リアルなカエルのロゴを掲げる青草茶のお店「水仙宮青草茶」。青草茶とは複数の薬草をブレンドして煎じたお茶。その黒っぽい色から敬遠する人もいるかもしれませんが、飲んでみるとスーッとしてミントのような後味で意外に美味しいのです。涼茶とも呼ばれて夏場の暑気を抑える効果もあると言われてるんですよ。
食レポ:【水仙宮青草茶】スーッとする爽やかな後味、青草茶を飲んで暑さをしのぐ
永樂市場の2階にある秘密基地のような喫茶店「秘氏咖啡」。実は台北にある同名店の姉妹店なのです。台北のお店のテーマ「老上海」に対して、こちら台南では「老香港」をイメージ。一歩店内に入るとそこにはまるで60年代の香港を思わせるようなノスタルジックな光景が広がっています。
食レポ:【秘氏咖啡(台南)】永楽市場の2階にあるのは香港を思わせる隠れ家カフェ