台鉄の駅舎 台湾人はどうみる?

台湾鉄道(臺灣鐵路)に乗ったことはありますか? 台湾全土を結ぶ重要な交通手段として長い歴史があります。鉄道に親しみのある日本人には台湾鉄道も人気があり、駅弁を食べながら電車に乗って地方まで足をのばしたり、ローカルな雰囲気を楽しんだりしています。各駅舎も歴史を感じさせる古い建築であったり、近代的なものであったり様々ですが、この駅舎について現地の方々はどのような印象をもっているのでしょうか?

自虐的なニュース記事

台湾鉄道の駅舎について書かれたちょっと面白い記事を見つけました。「全国最もイケてない駅ランキング1位は予想通り!」というちょっと不謹慎だけと読んでみたい・・・

参考:Oops!新鮮事 全台最醜火車站票選 奪冠車站完全不意外阿!

いったい台湾人は全国の駅にどんな評価を下しているのでしょうか・・・ ちょっと見てみましょう。

ワースト5

第5位 台中駅

これは意外。ウソ!と頭の中で叫んでしまいました。台中駅といえば西洋風のレンガ造りのデザインで築約200年になろうかという立派なものです。日本人にも評価の高い建築物で、しかも国定古跡に指定されているほどです。これが5位とはいったいどういう理由で?

現地での反応

「印象が無い(笑)。だって台中に行くときは新幹線かバスしか使わない。」

確かに新幹線が開通してからは遠方から来るときはあまり台鉄は使わないかもしれませんね。近場に行くときはバスの方が便利ですしね・・・ しかしその理由で印象が薄いとはつらいですね(笑)

現地での反応

「台中駅は西洋風のクラシックなデザインなので雨が降ったときなんか霧が立ち込めてサイレントヒル(※1)に来たかと思う。」

※1 コナミから発売されたホラーゲーム「サイレントヒル」

これは・・・ 雨の日にぜひ行ってみてみたいですね(笑)。しかしこの理由もなかなかつらいものがあります。

いきなり予想外の展開にちょっと驚きました。でも台中駅は日本人には評価が高いということを教えてあげたいですね。

第4位 台北駅

これもちょっと意外でしたね。大都市の駅が2つ続きました。台北駅はいったいどういう理由なのでしょうか?

現地での反応

「柯P市長(※1)でさえ「台北駅はひどい!ugly(みにくい)だ!」と言ってる。」

※1 現台北市長「柯文哲」さん

「改装してますますひどくなった。改装前の方がよい。」

「改装した後はなんか葬儀場みたいだ。中に入るとぞくぞくする。」

なんかボロクソに言われてますね(笑)。台北駅もじゅうぶん立派な建物だと思うんですけどね。個人的にあの白黒の床の広大なスペースとか好きなんですけどね。一方でこういう意見も。

現地での反応

「そんなに悪くないよ。駅を背景に自撮りしてる観光客がたくさんいるし、百貨店(※1)が入ってからは綺麗になったよ。」

※1 微風集團によるブリーズ タイペイ ステーション(微風台北車站)

ちゃんと評価している人もいますよね。ちょっと安心しました。

第3位 基隆駅

※画像はWikimedia Commons、蘋果即時、ETtoday.net 旅遊雲より引用

3位は基隆駅。基隆駅は昨年新しい駅舎が完成し大きく変貌を遂げています。写真の上~左~右の順にかつての駅舎、現在使用停止となった駅舎、そして現在の駅舎。ずいぶん様変わりしましたね(笑)。なにか宇宙船を思わせるようです。さて、3位となった理由ですが、これはかつての駅舎(運用中、運用終了後含む)に対する評価のようです。

現地での反応

「駅の前は車多すぎ! いつも混乱してる。」

「浜風が吹くのでいろいろものが壊れやすいよ。」

「基隆駅って棺桶みたいだよ。」

いろいろとダメ出しされてますが・・・ 棺桶というのは辛辣ですね(笑)。しかし新しくなった駅舎の方は概ね好評のようです。あまりに未来的で少々戸惑っている方もいるようですが・・・ 今後はランクインすることは無いのではないでしょうか。

第2位 高雄駅

第2位は高雄駅。それほど素晴らしいという気もしませんが、かといって際立ってひどいということもないんじゃないかと思いますが、現地の方はどう見てるのでしょうか?

現地での反応

「小さい頃から見てる高雄駅は実は臨時駅だった! 「高雄駅は臨時駅といいながら数十年経ってる(※1)。まだ臨時と言うつもりか?」と言ってる人がいるが無理もない。」

 ※1 実際は現在の駅舎は2002年から臨時駅として使用している。

「いったいいつまで臨時駅なの?」

これは確かにそうかも! 自分も高雄駅を数回使ったことがありますが、そういえばいつもホームが工事中でしたね。実は高雄駅は地下化の計画により新駅舎を建設中であり、現在の駅舎は臨路で使用しているのだそうです。2002年からなので確かに長いですね。一応2017年を目途にしているらしいですが。どうなることやら・・・

現地での反応

「高雄駅の外観は駅というよりショッピングモールみたい。」

うーん、臨時ということを知ったらそんな気もしてきました(笑)。

第1位 中壢駅

※画像はウィキペディアより引用

さて、堂々の1位は中壢駅が獲得! いや不名誉なのですが(笑)

中壢駅は利用客の延べ人数が台湾鉄道の駅では台北駅、桃園駅に次いで第3位。しかし最もイケてないランキングでは台北駅、桃園駅をおさえて1位を獲得! 汚い、醜い、臭いという評価を一身に集めました。

Oops!新鮮事より引用

なんともキツい紹介です・・・

現地での反応

「特にトイレ! 超狭いし、それに臭くなかったことは1度もない!」

「ここが1位じゃなかったらどこが1位だっていうの?」

何かもう1位で当然のような評価ですね。しかし中壢駅も実は桃園捷運機場線(MRT空港線)の乗り入れに合わせて高架化される計画があるので、恐らく駅舎も新しくなるのではないでしょうか。そうなれば不名誉な悪評ともお別れ、利用者にとっても嬉しいですね。でも気になるので新しくなる前にちょっと行って実際に見てみたいですね(笑)。

番外

ちょっと番外編も見てみましょう。ここでも予想外の面白い意見が挙がっています。

台南駅

またまた以外な駅が出てきました。台南駅もクラシックな造りで青い空と白亜のコントラストが美しい南国らしい駅舎として評価が高いのですが・・・ なぜでしょうか?

現地での反応

「早く改修した方がいいのに、絶対に改修しない。」

「遠くから見たら古跡だけど近くで見たら廃墟。」

という意見が。なるほど、想像以上に老朽化しているのでしょうか。台南駅も台湾鉄道の捷運化(パターンダイヤ化)にともない地下化が予定されているようです。現駅舎の一部は保存されて、2階の元ホテルが復元されるなどの計画があるようなので期待しましょう。

苗栗駅

※画像はウィキペディアより引用

苗栗は西海岸側、台中の北に位置する地域です。さすがにこの写真を見た瞬間思わず吹き出しそうになりました(笑)。どんな意見が出てるのかだいたい予想できます・・・

現地での反応

「古いとか新しいとかいう問題じゃない。ダサい。」

確かに(笑)。なんか、ちょっとパチンコ店みたいですよね・・・ なんでこんな形にしたんだろう? 苗栗駅も2013年に新設され、そちらがメイン駅舎として利用されていますが写真の旧駅舎も出口用として現在も利用されているそうです。せっかくなのでこのままにしておいて欲しいですね(笑)。

まとめ

台湾に住む方々は台湾鉄道の駅にどんな印象を持っているかということがよく分かりました。やはり長く住んでいる人と我々では少々見方が変わってきますね。結構厳しい意見が多いようです。しかし、長い歴史のある台鉄に愛着と誇りを持っているのも確かだと思います。また現在捷運化に向けて台鉄が大きな変化を迎えている期間なので、もし利用する機会があればその移り変わりを見てみるのも良いと思います。

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