台湾に限らず海外旅行に行ったときの課題の1つがネット接続。方法はいくつかありますが現地のプリペイドSIMを購入するのが1番おすすめです。台湾へ出かける人の中にも利用している人は多いと思います。実はこのプリペイドSIM、上手く使えば台湾へ旅行に行く旅に購入することなく同じものをずっと継続して利用することができるのです。台湾へ何度も出かけるリピーターにとっては必須のテクニックなので今回は台湾の大手通信キャリアの3社(中華電信、台湾大哥大、遠傳電信)についてその方法を詳しく説明したいと思います。
プリペイドSIMの有効期限について
データ通信プランについて
プリペイドSIMの有効期限について解説する前に、先ずデータ通信プランについて説明したいと思います。データ通信プランというのはデータ通信を行う、つまりネットに接続する為の商品のことですね。
データ通信プランは大きく分けて以下のように2種類があります。
■計日型
3日間使い放題、5日間使い放題というように一定期間無制限にネット接続可能。
※キャリアによっては時間単位の「時計型」もある。
■計量型
1GB、2.2GBというようにデータ容量が決められている。
プリペイドSIMを購入するときは、通常データ通信プランが最初からセットになっています。空港で販売されている旅行者向けのプリペイドSIMには計日型のデータ通信プランがセットになっていて、滞在期間に合わせて選べるようになっています。
データ通信プランの有効期限とプリペイドSIMの有効期限は別
データ通信プランには有効期限があります。計日型であれば、例えば3日間使い放題は3日、5日間使い放題は5日というように使用可能期間がそのまま有効期限になっています。計量型であっても60日、120日など期限が定められていてデータ容量が残っていても一定日数を超過すると使用不可となります。
そして、これとは別にプリペイドSIM自体に有効期限というものがあります。データ通信プランの有効期限を過ぎると当然ネット接続はできなくなりますが、プリペイドSIMの有効期限を過ぎていなければSIM自体はまだ有効な状態なのです。
プリペイドSIMの有効期限は6ヶ月
購入したときのデータ通信プランに関わらず、プリペイドSIMの有効期限は6ヶ月(※1)です。この有効期限内であればリチャージ(リチャージについては後述します)をすれば何度でもネット接続が可能になります。
つまり台湾へ行くたびにSIMを買い直さなくても有効なプリペイドSIMを持って行けばリチャージして何度でも使用することができるというわけです。
※1 台湾通信大手3社のプリペイドSIMの有効期限
通信キャリア | 有効期限 |
中華電信 | 180日 |
台湾大哥大 | 185日 |
遠傳電信 | 186日 |
入手方法
空港販売のプリペイドSIMは継続利用不可
プリペイドSIMの入手については大部分の人が空港で購入していると思います。ところが現在空港で販売されている旅行者向けのプリペイドSIMは使い切りタイプとなっており継続して使用することができません。
以前は空港で販売されていたプリペイドSIMも6ヶ月の有効期限があり、リチャージすることによって継続して使用することが可能でした。しかし2017年7月18日に電子通信業を管轄する台湾の政府機関「国家通訊伝播委員会(NCC:National Communications Commission)」が台湾国内のプリペイドSIMの契約に関する規定の変更を発表し、これを受けて空港販売のプリペイドSIMは使い切りタイプへ変更されました。(詳しくは下記の記事を参照)
継続利用するなら通常の店舗で購入
というわけで台湾でプリペイドSIMを入手して継続利用したいのであれば、空港で売られている旅行者向けのプリペイドSIMではなく空港以外のショップで売られている普通のプリペイドSIMを購入する必要があります。
購入方法は特に難しくありませんが、例えば台北であれば台北駅の近くなど外国人客馴れしているお店で購入するのが良いと思います。
リチャージについて
リチャージは大きく分けて2種類
リチャージは混乱を避ける為に以下の2つを分けて理解する必要があります。
- 音声通話に対するリチャージ
- データ通信に対するリチャージ
どちらも中国語では儲值と呼ばれていて、それぞれ詳しく説明すると以下の通りです。
音声通話に対するリチャージ
プリペイドSIMを購入するとアカウント(電話番号)が与えられます。アカウントには餘額というものがあるのですが、これは残高のことで音声通話の料金に充てられます。つまり電話を掛けるとここから料金が引かれるわけです。餘額が無くなると当然それ以上電話を掛けることはできません。この餘額に対してお金を充当することをtop up(トップアップ)と言い、これが音声通話に対するリチャージというわけです。
データ通信に対するリチャージ
先に述べた餘額だけではネットに接続することはできません。ネット接続を行う為には計日型や計量型といったデータ通信プランを購入する必要があります。このデータ通信プランを購入することがデータ通信に対するリチャージです。
リチャージすると有効期限が延びる
音声通話、データ通信の何れに対してもリチャージを行うとプリペイドSIMの有効期限が延長されます。具体的に説明すると、例えば「明日有効期限が切れる」というときにリチャージをすれば、リチャージしたその日から6ヶ月先まで有効期限が延長されます。
つまりリチャージを繰り返せば半永久的にプリペイドSIMを継続して使用することができるというわけです。もちろん有効期限が切れてしまったらリチャージすることは出来ません。
有効期限を延ばすだけなら音声通話へリチャージ
プリペイドSIMの有効期限が残っている内に台湾へ行く予定がある場合、そのタイミングでデータ通信のプランを購入すれば台湾でネット接続もできるし、有効期限も延長されて何も問題ありません。問題は、プリペイドSIMの有効期限内に台湾へ行く予定が無い場合にどうするか? ということですね。
例えば有効期限が迫ってきたので「1GB:60日有効」という計量型のデータ通信プランを購入したとします。購入した日から6ヶ月先に有効期限が延長されるのでこれはOK。但し、60日以内に台湾へ行かなければせっかく購入したデータ通信プランが使わずじまいになってしまって勿体ないですよね。
こういうときは音声通話に対してリチャージを行うのがベストです。つまり餘額(残高)に対してお金を充当するわけですが、この餘額はプリペイドSIMの有効期限が切れない限り無くなることはありません(電話をすればもちろん減りますよ)。そして、ここが重要なのですが、この餘額を使ってデータ通信プランを購入することができるのです。
つまり、音声通話に対してリチャージを行い有効期限を延長しつつ餘額(残高)を充当して、次回台湾へ行くタイミングで餘額(残高)を使ってデータ通信プランを購入すればお金をムダにせずに済むというわけです。
※音声通話へのリチャージ方法については下記記事を参照してください。
データ通信へのリチャージ方法
具体的に台湾へ行く予定が決まったらデータ通信へリチャージ、つまりデータ通信プランを購入すればよいわけですね。渡航直前、或いは渡航後すぐに購入するのがベストですね。計日型、計量型から滞在スケジュールに合った商品を選べばOKです。
※データ通信プランの購入方法は下記記事を参照してください。
使いやすいプリペイドSIMはどれ?
大手通信キャリア3社のリチャージ方法一覧
台湾の大手通信キャリア3社(中華電信、台湾大哥大、遠傳電信)のリチャージ方法を一覧にしてみました。下記の一覧は、日本在住の人が日本からリチャージすることが可能か? という観点でまとめています。(2022.2.5現在)
通信キャリア | データ通信 | 音声通話 | |||||
WEB | アプリ | バウチャー | WEB | アプリ | |||
電話 | WEB | アプリ | |||||
中華電信 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
台湾大哥大 | △ | △ | ○ | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
遠傳電信 | △ | △ | ○ | ○ | ○ | ✕ | ✕ |
※一覧表について
データ通信:WEBサイト、アプリからリチャージできるかどうか。音声通話:WEBサイト、アプリ、からリチャージできるかどうか。またバウチャーカードを使ってリチャージする場合、電話、WEBサイト、アプリからリチャージできるかどうか。
※△について
日本のクレジットカードでは購入できない(台湾発行のクレジットカードであれば購入可能)。ただし餘額(残高)を使って購入することはできる。
中華電信が使いやすい
個人的に最も使いやすいと思うのは「中華電信」ですね。「台湾大哥大」と「遠傳電信」はリチャージする際、日本のクレジットカードが使えないので日本にいるときにリチャージするには餘額(残高)を使ってデータ通信用のプランを購入するか、買い溜めておいたバウチャーカードを使う以外にありません。
※ただ「中華電信」も今後どうなるか分からないので、念の為バウチャーカードを数枚買っておいた方が無難ですね。
また「中華電信」のデータ通信プランには「計時型」というのがあって1時間(35元)、24時間(100元)のような商品があります。帰国日など「あと数時間だけネット接続したい」といった場合に便利ですね。
※(2022.2.5現在)商品は変更される可能性があります
音声通話のリチャージも100元から可能なので有効期限を延ばしたいときなどは便利です。
まとめ
プリペイドSIMを継続利用する為のポイントは
- 空港ではないショップで購入する
- 有効期限を延ばすだけなら音声通話にリチャージする
- 残高を使ってデータ通信プランが購入可能
- 維持しやすいのは中華電信
ということです! プリペイドSIMをうまく使いこなして台湾旅行をよりスムーズにしていきましょうね。