「共楽 Gung Lok」は2016年6月に赤峰街にオープンした香港スタイルの複合カフェ。日本ではあまり目にすることのない、香港の冰室(60、70年代に香港で流行った飲み物や軽食を提供するお店)で見られるようなメニュー楽しむことができます。また雑貨や衣料品などの販売も行っていて台湾とはまた微妙に違う香港のカルチャーを感じることができるお店です。
共楽 Gung Lok
香港カルチャーが感じられるお店
台北MRT雙連駅の1番出口を出て赤峰街を南へ5分弱ほど歩くと「共楽 Gung Lok」が見えてきます。おしゃれな外観からして赤峰街らしい、いかにも若者向けのカフェという印象ですねー。
さっそく中へ入ってみましょう。店内は壁や柱など敢えて一部削ったままの荒々しい状態を残しています。台湾では古民家をリノベーションしたお店でこういった手法がよく見られるんですよね。全体を小ぎれいにしてしまうより古さを上手く利用することで逆に魅力を高めています。
赤峰街という人気エリアにもかかわらず中はかなり広々としています。テーブルやイスがまた味があって、しかも統一感もあり好印象。
こういったリノベーション系のお店ではイスなどわざと不揃いにしているケースもあるのですが、個人的には統一されている方が好きなのでポイントが高い。
道路側は大きなガラス張りになっているので外光がよく入り明るく開放的。窓際の席もシンプルでスッキリしていてなかなかよさげです。
「GROCERY」と書かれているようにTシャツや雑貨などの販売も行っています。
販売されている商品や店内に飾られているものの中には香港の文化が感じられるものがあり見ていて楽しいですね。台湾と香港ではお店の雰囲気だったり、食事だったり、いろんなところに微妙に違いがあるんですよね。自分もまだ台湾にそれほど足を運んだことがなかった頃はどちらもいわゆる「中華風」にしか感じなかったのですが、台湾に何度も来るようになってからはその辺りの違いがはっきりと分かるようになってきましたねー。
この「共楽 两周年」と書かれたプレート。台湾でも雑貨としてよく見かけますが、実は香港のミニバスの行き先案内プレートをモチーフにしてるんですよ。
冰室ならではのメニューがズラリ
こちらが「共楽 Gung Lok」のメニュー。カフェにしてはかなり品数が多くてバリエーション豊富。写真がたくさん掲載されているので分かりやすいですねー。
食事メニューが中心で「叉燒滑蛋飯」「叉燒蔥油撈麵」「火腿通心粉」「奶油煉乳烤吐司」など香港の冰室でよく見られる料理が揃っています。
「冰室」というのは、1960~1970年代頃に香港で流行った「茶餐廳」のはしりのようなスタイルのお店です。「茶餐廳」は食事メニューを幅広く提供しているの対して「冰室」ではドリンク・軽食を中心にメニューを揃えています。例えば「茶餐廳」がファミレスなら「冰室」は喫茶店といったところでしょうか。
「共楽 Gung Lok」 はその「冰室」をイメージしたメニューを揃えながら、しかし現代風のスタイリッシュな店舗で営業するカフェという表現が当てはまるのではないでしょうか。
この「出前一丁」にスパムや目玉焼きをトッピングした料理など典型的な冰室のメニューですねー。まさにザ・軽食といった感じです。
日本のメロンパンを思わせる「菠蘿包」にバター、スパム、目玉焼きを挟んだもの。「菠蘿包」って台湾のパンだと思っている人がいるかもしれませんが香港発のパンなんですよ。台湾でも人気があるので台湾経由で日本でも知られるようになったのが勘違いされてる理由ではないでしょうか。
それはともかくとしてこちらのビジュアルももう何というか、味が味覚よりも先に脳に突き刺さりそうな勢いがあります。実に分かりやすい、でもどうしても食べたくなる誘惑に駆られてしまいます。
「岩漿法蘭西多士+薯條」というのはフレンチトーストにフレンチフライの付け合わせ。台湾ではフレンチトーストのことを「法式吐司」と呼ぶのに対して、香港では「西多士」といいます。
そして名前だけでなく味の方もかなり違いがあるのです。「西多士」は揚げたトーストを2枚重ね、バターをのせた上にシロップや煉乳をたっぷりかけて食べます。しかも2枚のトーストの間にはピーナッツバターやクリームを挟んであるという、甘~いフレンチトースト。これでもかと甘さを追求したような感じで太ること間違いなしです(笑)。
ドリンク類ももちろん香港仕様。特に面白いのが紅茶とコーヒーを混ぜた鴛鴦茶というもの。食事メニューにしてもそうですが、個人的に「言われてみればありかもしれないけど、たぶん絶対やらないよね」ということをやってしまうのが香港、という印象を勝手に持っています(笑)。
これだけ別になってるけど新しいメニューかな?
というわけで別扱いになっていたメニューから「共楽招牌午餐肉蔥油撈麵」を選んでみました。ドリンクには「鹹檸七」を。
共楽招牌午餐肉蔥油撈麵(200元)、 鹹檸七(食事メニューに+80元(単品の場合は150元))
「鹹檸七」っていうのは、これも香港の茶餐廳や冰室ならではのメニューで、塩漬けレモンを入れたセブンアップ。なんですが「鹹檸檬+雪碧」と書かれてるのでたぶんセブンアップの代わりにスプライトを使ってるんだと思います。
※雪碧:スプライト
英語でも「Iced Salted Sprite」って書いてますね。
「共楽招牌午餐肉蔥油撈麵」は撈麵(公仔麵:出前一丁)にスパムと蔥油を添えたもの。ちょっと想像してたほどインパクトがなかったのですが(笑)、まあまあ美味しいです。やっぱりこの直線的なジャンクな感じがいいんですよ。
日本ではなかなかお目にかかれない香港の雰囲気や食事が楽しめるお店。赤峰街の観光の合間に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
店舗情報
住所 | 台北市大同區赤峰街22號 |
営業時間 | 12:00~21:00 |
休日 | |
FB | 共楽 Gung Lok |