11月2日に立法院(日本の国会にあたる)の交通委員会で賀陳旦交通部長(日本の国土交通大臣、総務省大臣に相当する)は現在建設中である桃園メトロ空港線について、年内開業の目標を断念し来年上半期を新たな開業目標とする考えを発表しました。開通時期をこれまで6度延期しており、これにより事実上7回目の延期となります・・・。
※アイキャッチ画像及びページトップ画像は桃園捷運公司HPより引用
桃園メトロ空港線とは
桃園メトロ空港線とは正式名称「台湾桃園国際機場聯外捷運系統」といい、台北駅から桃園空港を経由して中壢駅までを結ぶ予定のMRT路線。これまで空港から台北市内への移動はリムジンバスかタクシーしか手段が無かったわけですがMRTが開通することにより利便性が増します。リムジンバスだと50分ほど要していたところが、台北駅ー桃園空港間の急行を使えば35分程度で到着する予定。また、台北駅で搭乗手続きが可能、高鐡(新幹線)桃園駅への乗り入れなど開通すればいいことづくめです。
※画像は桃園捷運公司HPより引用
そもそも当初は一部区間を2010年頃の開業予定
今回の発表で7回目の延期となったわけですが、そもそも2006年頃に着工し2010年には一部区間の開業を予定していました。本来ならもうとっくに運用開始して今頃は利用されているはずなのです。それが延期に次ぐ延期でとうとう今年中の開業も断念となったわけです。そういえば10月頃、年末に開業可能とのニュースを見て「やっとか~」と思っていたのですがあっさりと覆ってしましました(泣)。
参考:機場捷運可望年底通車(蘋果即時)
台湾人も呆れ気味
さすがに台湾の方々も呆れている様子・・・
以下、台湾国内の反応。
「来年、また来年。いったい何回来年なの?」
「開業と言っては延期。現代の狼少年だな。」
「来年延期? ほんと? どうせまた1年延期するんでしょう。永遠に来年開業ね。」
「それは"いつ"の来年なんだ?」
まあ、もっともですよね。
しかしこの桃園メトロ空港線、実は鉄道システム一式と車両基地建設契約を日立製作所・丸紅・川崎重工の日本企業連合が受注しています。遅れの原因が直接三社にあるわけではないのかもしれませんが日本人としてはちょっと複雑な気持ちになります。
来年3月までに開通の見通し
交通部は来年の3月までには開通できるとの見通しのようです。2度あることは3度あるどころか既に6度ということで、どうせまた・・・という気持ちは正直無いではないですが今度こそ期待したいと思います。今年夏ごろには既に試運転をしており、問題は速度や安全性ということのようなので課題となっているのはシステム的な部分なのではないでしょうか。度々遅れているとはいえ安全性をしっかり確保するまで開始しないという点では国家として信頼できると前向きに捉えることにしましょう。空港線が開通すればほんとに便利になると思うので期待して待ってます。
追記
12/2追記
桃園メトロは空港線の台北駅から桃園空港までの運賃を最大160元に設定すると発表。運営コストを基本に算出すると270元となるが、高速バスよりやや高く高速鉄道(シャトルバス費用含む)より安い160元は妥当とのこと。
参考:機場捷運票價公布 台北到桃機160元(中央社即時新聞 CNA NEWS)
参考:機捷票價 鄭文燦:兼顧服務與競爭力(中央社即時新聞 CNA NEWS)