【星龍鳳】台湾に逆輸入された日本風中華料理と小料理店のスタイル?

台湾にノスタルジックを感じる日本人観光客は多いと思います。しかし昔と比べて台北の街はかなり変貌しているので「あれ?思ったより・・・」という印象を持つ人も多いのでは。その点地方都市ではまだまだ古さが残っているのも事実。しかし逆に言うと台湾で新しいものを楽しむならそれはもう台北が正解でしょう。というわけで今回は日本の中華料理を提供するレストラン「星龍鳳」を紹介したいと思います。

星龍鳳

大人気につき予約がベター

観光客に大人気の永康街エリアですが金華街まで来るとさすがに人の数は少なくなってきます。日暮れ時になるとなおさらですね。

その永康街近くの金華街沿いに今年(2025年)の春ごろオープンしたのが「星龍鳳」。ずっと気になっていたお店ですがようやく来ることができました。

しかしすでに大人気のようでまずは予約の有無を確認される。予約なしで来てしまったのですが今から1時間ほどの間であればOKとのこと。1人だし1時間あればじゅうぶん、ということで運よく入店することができました。

のれんに「拉麵・麻婆・中華料理専門店」という、なんだか日本にありそうな文字が並んでいるのですがその通り。日本の中華料理をベースにしているお店なんですよ。「Modern Japanese-Chinese Restaurant」としっかり書かれてますよね。

店舗のスタイルがまた興味深い。まるで日本の小料理屋をイメージしたかのような形態。居酒屋ではなく小料理屋と表現したのは提供される料理によるところなのですがその内容は後ほど・・・

どうやら二階にも席があるようなのですがたぶんまだ運用されてないのかな? いずれ解放するのかどうかよく分かりませんがこの日は少なくとも自分が滞在していた時間帯では1階のカウンター席のみ使用されていたようです。

付け台の裏に照明が仕込んであるなどなかなか手が込んでます。

さて気になるメニューですが「麵飯」「私房」「嘴饞」「生津」というカテゴリに分かれています。「麵飯」は文字通り麺やご飯ものなど主食類のメニュー、「私房」は一品料理、「嘴饞」はスイーツ、そして「生津」はドリンクのようですね。

マーボー飯と醤油ラーメン

気になるメニューが多すぎるのですが一番食べてみたかったのが「特製鐵鍋麻婆飯」。グツグツと食欲をそそる音を伴って鉄鍋に入った麻婆豆腐が登場。これは美味しそう! 「飯」と「麵」がありこのときはご飯を選びました。

特製鐵鍋麻婆飯(300元)

卵をトッピングしてあるとかもうたまらないですね。

日本風とはいえやはり本場なのでもしかしてすごく辛いのでは・・・ と心配していましたがそんなことはなくほどよいピリ辛加減で辛いのが苦手な自分でも美味しくいただけました。

そしてご飯とともに。やっぱこれですよね。

もう旨いに決まってます。しかし台湾で中華料理を食べているのに日本を感じるというなんとも不思議な感覚です。

一品料理はメニューによっては2人以上向けということで店員さんが1人でも適当なボリュームのものを教えてくれました。その中から選んだのがこちらの「京醬松板冬菇春雨春捲」。

京醬松板冬菇春雨春捲(180元)

春雨、シイタケなどを巻いた揚げ春巻きですね。名前が「冬粉」ではなく「春雨」としているあたり日本風中華料理の主張を感じますね。

京醬ソースをつけていただきます。

からし醤油やスイートチリソースではなく濃厚で甘みのある京醬を持ってくるところなど単なる日本風中華料理ではなく巧みにアレンジを加えているという印象です。

途中で出てきたこちらの一品は注文したものではなくどうやらサービスのようです。ディップを添えた揚げ餅のような餅皮(クラッカーみたいなもの)。

ディップはヨーグルトのようなクリームチーズのような? さらに黒っぽいのは豆豉でしょうか。松子と刻みネギも添えてあります。これはなかなかイケますね。途中で出てきましたがたぶん開胃菜なんじゃないかな? 忘れてたとか(笑)?

デザートに注文したのは「鮮芒果布甸」。スタッフは「季節水果杏仁燉奶」や「招牌黃油法蘭西多士」の方が人気だとおすすめしてくれたのですがこちらは季節限定ということなので・・・ たぶんまた来るしおすすめの方はそのとき食べます(笑)。

鮮芒果布甸(150元)

とろけるような口当たりのクリーミーなプリン。マンゴーも主張が強すぎず上品に添えられているところが一味違いますねー。

注文した全て料理を食べ終えて帰ろうとしていたら最後に小さな一品が出てきました。こちらもサービスのようです。

お餅に花生粉と砂糖をまぶしたおやつですね。最後の最後まで美味しく楽しい時間でした。


さて、再度台北を訪れた際に約束通り(自分自身に)再訪しました。気になるメニューが多いのでまだまだ物足りないのです。前回の教訓を生かして今回は事前に予約しました。現在(2025年11月25日現在)のところ予約方法は「私訊訂位」または「現場預約登記」だけのようです。というわけでinstagramのお店のアカウントにメッセージを送って予約しました。

前回途中で登場したサービスの一品が今回は最初から出てきました。やはり開胃菜だったみたいですね(笑)。

さて、今回食べたかったのはラーメン。というわけで「魚介雞汁正油拉麵」を注文です。もう見た目がまさに日本のラーメンですよね。

魚介雞汁正油拉麵(330元)

スープがやはり食べ慣れた日本のラーメンの味ですねー。ただ熱々ではないところは台湾ならではなのでしょうかね?

チャーシューが2種あるのかと思ったのですがこちらは雞肉捲(雞捲ではない)のようです。

こちらが薄切りのチャーシュー。台湾で見かける叉燒(広東料理の)とは別物ですが台湾でもこれは叉燒と呼ぶのかな?

娃娃菜のトッピング。これは台湾らしいアレンジですねー。

煮卵もしっかり半熟で抜かりがありません。

食べたときに「日本のラーメン」と思わせる要因は、スープもそうなのですが個人的にはこの麺の存在が大きいんですよね。色からしてたぶんかん水を使用した麺だと思うのですがやはり台湾で陽春麵や牛肉麵などを食べたときとは違う食感、風味なんですよ。麵はなかなか奥が深い・・・

この日一品料理で注文したのは「宮保蜜糖腰果蝦球」。

宮保蜜糖腰果蝦球(240元)

酢橘(なのかな? たぶん違うと思う・・・)を絞っていただきます。

薄く衣を塗して揚げたエビはプリプリと弾力のある歯ごたえ。ふっくらとして脂っぽくないのが印象的ですねー。

さらに砂糖をまぶしたカシューナッツと合わせて食べるとカリカリとした食感が加わってこれがまた旨い。

さて今回のスイーツは前回おすすめされたメニュー「季節水果杏仁燉奶」をいただきました。

季節水果杏仁燉奶(135元)

蓋を取ると・・・ これは柿ですね。10月とはいえ真夏のように暑い日ばかりだった台湾ですがここで初めて秋を感じさせられましたよ。そういえばもう何度も台湾に来てますが柿を食べたのは初めてじゃないかな・・・

こちらは杏仁豆腐ではなく「杏仁燉奶」なので日本人のイメージする杏仁豆腐とは違ってフルフルとしたプリンのような食感です。みずみずしい柿とともに美味しくいただきました。

ちなみにこの日は最後にサービスのお餅が出てこなかったのですが、忘れていたのかもう終了したのかよく分かりません(笑)。

2回行きましたがまだまだ物足りないですねー。日本風中華料理がベースですが台湾の食材を上手く取り入れたり西洋風にアレンジされたりと実に興味深いです。聞いたところではシェフは香港出身とか。そういえば西多士は香港式のフレンチトーストですよね。こういった斬新で挑戦的なお店が出てくるのはやはり台北ですね。

店舗情報

住所 台北市大安區金華街223-3號
営業時間 17:30~21:30
休日 火水
リンク 星龍鳳
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