台北の西門町にある老舗のアイスクリーム屋さん「永富冰淇淋」。全く飾り気のない店舗、8種類ほどのフレーバーのシンプルなアイスクリームながら高い人気を誇っています。近年インスタ映えを意識したスイーツ店が次々と現れては消えていく様子を見ていると、こうした質実剛健的なお店はやっぱり強いんだな~、と実感させられます。というわけで今回はその「永富冰淇淋」に行ってみましたので紹介したいと思います。
永富冰淇淋
創業70年以上、3代続くアイスクリーム店
「永富冰淇淋」にやってきました。MRT西門駅から歩いて10分弱ほどの貴陽街と昆明街の交差点にお店があります。
それにしてもかなりの老舗というだけあってシブすぎる外観。「アイスクリーム」がイメージさせるような華やかさというか、子供が喜びそうな雰囲気というか、そういった要素は微塵もありません(笑)。
「冰淇淋(アイスクリーム)」という言葉の意味を知らないと、パッと見ただけでは「ん、何かの事務所?」「小さな工房か何かかな?」といった印象で、とてもアイスクリームのお店とは思わないんじゃないですかね?
しかし、そこも含めて「永富冰淇淋」の魅力なんですよねー。
縦の看板は比較的新しいように見えますが、後で取り付けたんでしょうね。
創業はなんと1945年。つまり70年以上もの間営業を続けている歴史のあるアイスクリーム屋さんなんですよ。初代の老閣(オーナー)は日本人からアイスクリームの製法を学んでこのお店を始めたそうです。現在は3代目がお店を引き継ぎ、今でも創業当時の製法でアイスクリームを作っているそうです。
見ても分かる通りとても小さな店舗なので基本的にテイクアウトが中心なのですが、わずかにイートインスペースもあるのでアイスクリームを買って店内でたべることもできます。
こちらが「永富冰淇淋」のアイスクリームのメニュー。フレーバーは全部で8種類あって、1カップ40元で3種類のフレーバーを選ぶことができます。
百香果(パッションフルーツ)、李梅(梅の砂糖漬け)、桂圓(龍眼)、花生(ピーナッツ)、芋頭(タロイモ)といったところはいかにも台湾らしいフレーバーのアイスクリームですね~。
- 草莓(ストロベリー)
- 百香果(パッションフルーツ)
- 李梅(梅の砂糖漬け)
- 雞蛋(バニラ)
- 桂圓(龍眼)
- 花生(ピーナッツ)
- 紅豆(あずき)
- 芋頭(タロイモ)
さっぱりした自然な甘さのアイスクリーム
どのフレーバーも興味深くて悩みましたが草莓(ストロベリー)、百香果(パッションフルーツ)、芋頭(タロイモ)を選んでみました。
先ずは「芋頭(タロイモ)」。台湾では芋圓(タロイモ団子)、芋泥(タロイモペースト)など、豆花やかき氷のトッピングでお馴染みですねー。
見た目の色合いは地味なのですがまったりとした甘さが特徴でアイスクリームにしても美味しいです。地元でも人気のあるフレーバーなんですよ。
ピンク色のアイスクリームは「草莓(ストロベリー)」。こちらは食べ慣れた味ですが、それほど甘ったるい感じはなくてほどよく控えめな甘さという印象です。
やや黄色みがかっているのは「百香果(パッションフルーツ)」。パッションフルーツのアイスクリームって蛍光色のような鮮やかな黄色っていうイメージがあるのですが、これはちょっとくすんだ感じの色合い。言われてみればパッションフルーツの果肉って実際はそんなに派手な黄色ではないですよね。
甘さとともに口の中に広がるほどよい酸味が印象的です。「芋頭(タロイモ)」と「草莓(ストロベリー)」はどちらかというと甘味の方が主張が強いですが、こちらはスッキリとした爽快感もあるのでバランス的にもよかったのではないかな。
どのフレーバーも個性的な風味ながら、優しい甘さとさっぱりとした口当たりなのが印象的。「永富冰淇淋」のアイスクリームは無添加で自然な甘さにこだわっているとのことですが、こういったタイプのアイスクリームは確か「叭噗」って呼ばれるという話を聞いた事があるんですが、どうなんでしょう?
ちなみにお店の名刺に「冰淇淋蛋糕」って書いてあるのが分かるでしょうか。「蛋糕」っていうのはケーキのことで、つまりアイスクリームをベースにしたケーキも作っているようです。誕生日などのお祝い用として販売してるみたいですよ。
まあ観光客がケーキを買うことはないと思いますが、参考までに値段は以下のようになっています。
- 8吋(8インチ):600元
- 10吋(10インチ):880元
- 12吋(12インチ):1,200元
- 15吋(15インチ):1,500元
3スクープといってもボリュームは控えめなのでペロッと食べれてしまいます。西門町を散策途中に気軽に立ち寄って休憩がてら美味しいアイスクリームを食べていくのはいかがでしょう。
店舗情報
住所 | 台北市萬華區貴陽街二段68號 |
営業時間 | 10:00~22:00 |
休日 | 永富冰淇淋 |