花蓮の景勝地「太魯閣峡谷(タロコ)」への行き方や見どころを紹介

台湾の有名な絶景スポットと言えば「太魯閣(タロコ)」ですね。台湾八景の一つとしても知られる台湾を代表する景勝地で一度は行ってみたい観光スポットですね。でも漠然と断崖絶壁の渓谷のイメージはあっても具体的にどこに何があるか、というのは分からないという人が多いのではないでしょうか。「太魯閣」と一言で言ってもかなり広くて見どころも広範囲に点在しています。というわけで今回は花蓮市の中心部から太魯閣への行き方や太魯閣の見どころなどを詳しく解説してみたいと思います。

花蓮市中心部から太魯閣への行き方

太魯閣は花蓮市中心部から直線距離で20㎞ほど離れた場所にあるのでバス、タクシー、電車などを利用して行くことになります。ただし電車の場合は最寄り駅の新城駅から結局バスに乗ることになるのであまりおすすめではないですね。今回はバスを利用して太魯閣へ行く方法を解説します。

太魯閣はあちこちに見どころが点在しているのでバスで移動しながら観光することになります。移動方法としては大きく分けて以下の2つ。

太魯閣での移動方法

①太魯閣の入り口~奥(天祥)へ
まず太魯閣の入り口(バス停でいうと「太魯閣」或いは「太魯閣國家公園管理處」)へ移動。その後各スポットに立ち寄りながら奥へ移動していく。

②奥(天祥)~太魯閣の入り口へ
まず一番奥(ここでは天祥とします)まで移動。その後各スポットに立ち寄りながら太魯閣の入り口(バス停でいうと「太魯閣」或いは「太魯閣國家公園管理處」)へ戻るように移動していく。

今回は①の方法で移動してみました。

1日バス乗り放題の一日券がお得

台鉄花蓮駅前にあるバスターミナルから太魯閣行きのバスに乗ります。

こちらは花蓮客運のチケット売り場。

悠遊カードでもバスに乗れるのですが、花蓮市中心部~太魯閣の往復、さらに太魯閣で各スポットを訪れるためにバスの乗り降りを繰り返すことを考えると「一日券」を買うとお得です。二日券もありますが二日続けて太魯閣へ行くという人はあまりいないですよね。

一日券」はチケット売り場以外にもセブンイレブンでも購入できるようです。

こちらも窓口で購入できます。

こちらが「一日券」で1枚250元です。「一日券」が利用できるのは花蓮客運の1126、1133、1133A、1141のバスです。花蓮火車站(花蓮駅)~太魯閣(太魯閣の入り口)の往復で184元(92元×2)なので、太魯閣で3回ほどバスに乗れば元がとれます。やっぱり買っておく方がお得ですね。

花蓮火車站(花蓮駅)から太魯閣へ

花蓮火車站(花蓮駅)から太魯閣へ行くバスの路線は太魯閣客運の302、花蓮客運の1126、1129、1132、1133、1133A、1141などがあります。このうち1133Aは「台灣好行」と呼ばれる路線で停まるバス停が少なく太魯閣までの所要時間が短いのでおすすめです

チケット売り場にバスの出発時刻が表示されています。1133A(台灣好行)はだいたい1時間に1本ほどの間隔で運行しています。

バスについての最新情報は下記を参照してください。
参考:花蓮客運行徑路線表(花蓮汽車客運公司)
参考:台灣好行 太魯閣線(台灣好行旅遊服務網)

こちらが天祥行きの1133A(台灣好行)のバス。チケット売り場の前にバス乗り場がいくつか(たぶん3つほどある)ありますが特にどこにバスが停まるかというのは決まっていませんので注意しましょう。またバスが2列に縦列駐車している場合があって歩道から見えないことがよくあるんですよ。バスがすでに来てることに気付かず出発直前に慌てて乗り込む外国人客を何度も見かけました(これホント困る・・・)。特にアナウンスもしてくれないので見逃さないようにしましょう。

バスに乗車する場合は悠遊カードが使えますが一日券を持っている場合は運転手に見せればOKです。

バスの中は普通の路線バスと同じですねー。

それでは出発です。

途中、「七星潭」や「新城火車站(新城駅)」を通って太魯閣を目指します。

そろそろ太魯閣が近づいてきましたよ~。

今回の太魯閣での移動ルート

今回太魯閣で見て回った(一部行けなかった場所あり)スポットの移動ルートは以下の通り。

太魯閣での移動ルート

①太魯閣入り口~太魯閣遊客中心(滞在時間:20分)
②砂卡礑步道
(滞在時間:1時間40分)
③布洛灣遊憩區
(滞在時間:30分)
④燕子口
(滞在時間:45分)
⑤九曲洞
(行けず)
⑥天祥遊憩區
(滞在時間:1時間)
⑦緑水步道
(滞在時間:20分)
⑧長春祠
(滞在時間:1時間)

太魯閣でのバス移動

太魯閣発の最終バス出発時刻

まず必ず把握しておきたいのが最終のバスの時刻。1133A(台灣好行)の最終は天祥を17:45発、太魯閣遊客中心を18:00発です。それより遅い天祥を18:05発、太魯閣(入口)を18:33発の1141のバスがありますが1133A(台灣好行)の方が花蓮駅に早く着くのでおすすめです。
1133A(台灣好行)の最終は花蓮駅に18:45着
1141の最終は花蓮駅に19:33着

バス(太魯閣~花蓮駅)の最終出発時刻

路線 天祥 太魯閣
遊客中心
太魯閣
(入口)
備考
1133A 17:45 18:00 18:07 こちらの方が花蓮駅に早く着く
1141 18:05 - 18:33

主なスポットの最寄りのバス停

太魯閣の主な見どころにはバス停が設置されているのでうまくバスを乗り継いで移動しましょう。一日券が利用できるのは花蓮客運の1126、1133、1133A、1141のバスです。太魯閣客運の302のバスも走っていますが一日券は使えないようです。

主なバス停とバス路線

バス停 バス路線
302 1126 1133 1133A 1141
太魯閣(入口)
太魯閣遊客中心
砂卡噹
長春祠
布洛灣 × × ×
燕子口
九曲洞 ×
合流露營區 ×
綠水
天祥

バスについての最新情報は下記を参照してください。
参考:花蓮客運行徑路線表(花蓮汽車客運公司)
参考:台灣好行 太魯閣線(台灣好行旅遊服務網)

太魯閣の見どころ

太魯閣入り口~太魯閣遊客中心

花蓮駅を出て約40分ほどで太魯閣の入り口に到着です。

特に見どころという場所ではありませんが「さあ、ここからスタート!」ということで写真を撮りたいならここで降りるといいですね。

向こうに見える橋を渡って少し歩くと太魯閣遊客中心(ビジターセンター)があります。

太魯閣の入り口のバス停をスキップすると、ここ太魯閣遊客中心(ビジターセンター)で下車することになります(もちろんそのまま乗って先を目指してもOK)。

まず太魯閣遊客中心(ビジターセンター)に立ち寄っていろいろと情報収集してから出発するのもいいですね。例えばスポットによっては状態が危険なため立ち入り禁止になってたりすることもあるので事前に把握しておくとよいです。

開館時間に注意。8:30開館なのでもし始発のバスで来たらまだ開いてないと思います。また毎月第二月曜日はお休みのようです。

砂卡礑步道

太魯閣遊客中心(ビジターセンター)を出るとすぐに砂卡礑隧道(砂卡礑トンネル)がありその先に砂卡礑步道があります。トンネルには歩道があるので歩いて行ってもいいのですが900m弱とけっこう長いです。最初歩いて行こうとしたのですが面倒くさくなって引き返してバスに乗りました(笑)。

トンネルと出ると砂卡礑大橋という橋に出ます。橋を渡ったところに「砂卡礑」のバス停があるのでここで下車。橋の欄干には獅子の石像が並んでいまず。これよく見ると全部表情が違うんですよ。

橋の上から岸壁を見ると岩をくり抜いた細い通路が見えますね。これが「砂卡礑步道」です。

橋の両側に下に降りる階段があります。こちらは通行禁止のようなので反対側から降りましょう。

上にいると白い橋だと思ってましたが下から見ると真っ赤な色だったのでちょっとビックリ。

では「砂卡礑步道」を歩いてみましょう。

この雄大な景色を目にすると太魯閣に来たっていう実感が湧きますね~。

ほぼトンネルのような状態。こんな頭をぶつけそうな場所もあります。この上に巨大な断崖があるかと思うとなかなかスリルがあります。

だんだんきれいに整備された歩道がなくなってきました。

と思ったらこの先は通行禁止になっていました。ほんとはもっと先まで歩道があるようなのですがその時々の状況によって解放エリアが制限されています。というわけでここで引き返しましょう。

布洛灣遊憩區

砂卡礑步道」でけっこう歩いたので「燕子口」の手前にある「布洛灣遊憩區」でちょっと休憩。レストランや売店もあるので食事もできます。

もともと原住民のタロコ族が暮らしていた場所だったらしく原住民料理が食べられるレストランやタロコ族に関する展示を行っている施設があります。今回は時間の都合でパスしましたが時間があればゆっくり見て回りたいですね。

地図を見ると山道のような道がバスの走る中橫公路に繋がっていて「布洛灣~燕子口步道」って書いてあるます。「燕子口まで歩いていけるのかな?」。ここのスタッフに聞いてみると「行けるよ」と軽く返事をするので歩いてみようかな~、と。

というわけで山道へ。

わりと奥まで来たのですが・・・

この辺まで来てなんだか嫌な予感がしたので引き返しました(笑)。いや、遠いし・・・

燕子口

布洛灣遊憩區」からバスに乗って次のスポット「燕子口」にやって来ました。ここは太魯閣の中でもマストスポットの1つです。

バス停を降りるとすぐにバスの走る中橫公路から脇にそれた旧車道「燕子口步道」がありここを歩いて行きます。入り口でヘルメットを無料貸し出ししているので必ず被っていきましょう。

壁に何やら書かれていますが「飛燕迎賓」かな? ツバメがお出迎えってことでしょうか。

ところどころこんな洞窟のようになっている場所もあり。

燕子口」の見どころの1つがこの岸壁にできた無数のポットホール(河底や河岸などの岩にできる円形の穴)。これらが作られた理由は2つの説があり、1つはここがまだ川底だったときに比較的柔らかい部分が侵食されて窪みができて徐々に大きくなっていった。その後地表の隆起によって現在の状態になったという説。もう1つは岩層の中に溜まった地下水が岩の割れ目からしみ出して岩を侵食し穴作っていったという説。

ちなみに「燕子口」は春から夏の時期にツバメが飛ぶ姿がみられます。このポットホールにツバメが巣を作ると言い伝えられてきたので「燕子口」という名前がついたそうですが、実際にはポットホールに巣を作ることはないそうです。

こうして見るとこんな切り立った断崖絶壁に通路を作るってすごいですよね。なんだかちょっと怖くなります。花蓮は素晴らしい観光スポットというだけでなく危険な場所だということを再認識させてくれます。

さて、歩道はもう少し続きますがこの「靳珩橋」の辺りで引き返すことにして次のスポットを目指します。

九曲洞

続いて向かったのはこちらも太魯閣の人気スポット「九曲洞」。ですが・・・このときは立ち入り禁止で行けませんでした。 残念! 

岩壁の崩壊が激しいことから2013年以降遊歩道が封鎖され修繕工事が行われていました。こういう場所もあるのでまずビジターセンターで情報収集するのが重要ですね。バスが「九曲洞」のバス停を飛ばしていった瞬間、外国人観光客が「えっ、何で!?」って感じでみんな一斉に振り返ってましたよ。アナウンスもしてくれないしあまり積極的に周知してくれないんですよね・・・

※画像はタロコ国立公園管理処 HPより引用

しかしながら「九曲洞」は今年(2019年)の6月にようやく修繕工事を終えて開放されているようです。
参考:太魯閣九曲洞遊歩道、6/24六年ぶり供用再開(Rti 台湾国際放送)

※画像はRti 台湾国際放送 HPより引用

天祥遊憩區

天祥」は特に見どころというわけではありませんが太魯閣観光の折り返し地点といった感じの場所。花蓮客運の1133、1133Aのバスは天祥が終点です。売店やコンビニがあるので休憩場所にちょうどよいですね。インフォメーション、郵便局、銀行などもありますよ。

緑水步道

天祥」で休憩した後、次に向かったのは「緑水步道」。当初は立ち寄るつもりはなかったのですが「九曲洞」が閉鎖されていたので代わりの場所を、ということで訪れてみました。

天祥」を出発した後「綠水」のバス停で下車して「緑水步道」へ入っています。バスの走る中橫公路の脇を沿うように山道が続いています。

何だかトレッキングコースといった感じですね。ちょっと太魯閣の渓谷というイメージではなかったかも(笑)。

こんなところを通りますよ・・・

真っ暗です(笑)。

ちょっと開けた場所に出ました。

この辺りはいい景色ですね~。

けっこう距離がありますがどんどん進んでいきます。

ようやく中橫公路への合流地点が近づいてきました。中橫公路に出ると次のバス停「合流露營區」があるのでここからバスに乗るとよいでしょう。時間に余裕があれば来てみてもいいですが渓谷というより山といった感じなので無理に予定に組み込まなくてもいいかもですね。

長春祠

最後に向かったのは「長春祠」です。ここは比較的太魯閣の入り口に近い場所にあるのですが、なぜ最後にしたかというと帰り(天祥~花蓮駅)のバスの停まるバス停の方が近いからです。「長春祠」の辺りは行き(花蓮駅~天祥)と帰り(天祥~花蓮駅)のルートが違う(たぶん一方通行のため)のでバス停の場所も違います。

バス停から向かいに見える断崖絶壁を背にした建物が「長春祠」。すごい場所にありますね。

中部東西横貫公路の建設中に亡くなった212名の作業員の霊を慰めるため、1958年に建てられたのがこの「長春祠」です。

建物のところへ行くには崖をくり抜いて作られた通路を通って行きます。

まずはこの長春橋を渡ります。

この通路もなかなかスリルがあります。ホントよくこんな道を作ったものですよね。

まるで炭鉱のようですよ。

通路の途中には仏像が置かれていて中部東西横貫公路の建設中に亡くなった方の名前を刻んだ名簿が設置されています。

向こうのバスが停まっているところがバス停。けっこう歩いてきましたね。ちなみにバス停の下には売店があるので休憩スペースとしても利用できます。

ようやくここまで来ました。

建物の中央には滝が流れています。

祠の中にも亡くなった方の名前を刻んだ名簿があります。

一通り見て回った後「長春祠」を後にしました。この時点で夕方4時半近くになっていました。情報不足でいろいろと手間取ったこともありましたが、まあまあ予定通りに観光ができたのではないかと思います。

帰りのバスを待つ間「長春祠」のバス停の下にある売店でしばし休憩。その後太魯閣へ来た時と同じ1133A(台灣好行)のバスで花蓮市中心部に戻りました。

太魯閣観光の注意点

太魯閣観光のおいて注意することをまとめてみました。

太魯閣観光の注意点

なるべく朝早く出発した方がよい
花蓮市中心部に戻る最終のバスが夕方であること。また一つ一つの見どころの所要時間がわりと長いので朝早く出発して余裕を持って観光した方がよいですね。

危険な場所でもあるということを自覚すること
太魯閣は魅力的な観光スポットであると同時に危険な場所であるという認識を持ちましょう。以前落石事故で日本人男性が亡くなったのが記憶に新しいですね。

危険な場所には近づかない、ヘルメットを被るなど安全にはじゅうぶん注意しましょうね。

歩きやすい靴で出かける
台湾は暑いので滞在中はサンダルで観光、という人も多いと思いますが太魯閣へ出かける場合はトレッキングシューズとまでは言いませんが歩きやすいスニーカーをおすすめします。岩場や山道もあったりするのでサンダルでは危険です。

道路を歩くときは通行するバスに注意
道路を歩くときは通行するバスに注意しましょう。路線バスに加えて観光バスもガンガン通るので交通事故にじゅうぶん注意。特にバス停付近はバスが集中するので写真に夢中になって近づいたバスに気が付かなかった、なんていうことがないようにしましょう。

ツアーを利用するのもあり

太魯閣を自力で観光するのは台湾旅行初心者にとってはやや難易度が高いかもしれません。自力だとちょっと不安だという方はツアーを利用するのもよいですね

JTBの現地オプショナルツアー

HISの現地オプショナルツアー・太魯閣観光を含むツアー

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