古都台南で異彩を放つ喫茶店を紹介。近年のカフェブームに、観光ブームに乗って台南にも次々と新しいお店がオープンします。スタイリッシュなロースターカフェ、お洒落なブランチを提供するかわいいカフェ、老房子を改装した古民家カフェ、若さを武器に突き進むフレッシュなカフェなど様々です。しかし今回紹介する道南館は決して派手さや奇抜さがあるわけではなく、コーヒーの技術によって独特のオーラを放つ実力派の喫茶店です。
道南館
浅煎り主体の自家焙煎
道南館は浅煎り(中国語では淺焙)のコーヒーを主体とする自家焙煎の喫茶店です。深煎りのコーヒーは苦味が強く、雑味の影響を受けにくい為カフェラテなどエスプレッソベースのコーヒーに向いています。逆に酸味が強く、渋みやえぐ味の影響を受けやすい浅煎りのコーヒーはドリップコーヒーに向いています。つまり浅煎りはコーヒー豆の品質や焙煎技術を問われ、誤魔化しがきかないのです。浅煎りで勝負するということはそれだけ焙煎技術に自信を持っているということですね。
お店に入ってすぐ入口付近にToperの焙煎機。
棚にはコーヒー豆がずらりと。
メニューは黒い地球儀
道南館ではメニューに地球儀を使用し、コーヒー豆の産地に合わせてその国の場所に品種や値段が書かれています。コーヒーがブラックなので地球儀もブラック・・・かどうかは分かりませんが面白いアイデアですね(笑)。
1杯のコーヒーを淹れる動作に見惚れる
こちらでは基本的にサイフォン(虹吸式)でコーヒーを淹れます。注文が入ると、豆を挽く~微紛や渋皮を取り除く~アルコールランプに火を灯す~ヘラでコーヒーを均す~タオルでフラスコを包む、と毎回寸分違わぬ洗練された動作でコーヒーを淹れる様子に思わず見入ってしまいます。
道南館の主役、浅煎りのコーヒー。香りが良く、浅煎りならではの爽やかな酸味が楽しめます。
豆の特徴に応じてエアロプレスも使用しています。
「カフェ」より「喫茶店」が似合う
冒頭から「喫茶店」という言葉を使っていますが、それは道南館は「カフェ」というより「喫茶店」と呼んだ方がしっくりくると思うからです。他のお店に比べて明らかに違う独特の「空気」を持っています。お客さんもどことなく上品というか、ハイソサエティというか、何かそういった雰囲気を感じてちょっと緊張してしまいます。と、ちょっと脅かすような言い方ですがオーナーはとても気さくな方なので、そんなに心配せずリラックスして大丈夫ですよ。
お店の場所は西門圓環近くの民権路沿い。赤崁樓や水仙宮市場が近くにあり台南市の中心部なので観光の合間に行ってみて上質のコーヒーを楽しんではどうでしょうか。また台北にも同名の店舗があるので、台北を訪れた際はそちらもぜひ。
店舗情報
住所 | 台南市中西區民權路二段248號 |
営業時間 | 月~土9:00~21:00、日13:00~18:00 |
休日 | 木 |
FB | 道南館 |