滋養軒は台南の新営区にある菓子店。民國39年、つまり1950年にオープンしたということなので創業65年を超える老舗です。鳳梨酥、太陽餅、香菇素包子、綠豆椪、五香瓜子といった伝統菓子から中西式糕點という西洋・中華折衷のお菓子までさまざまな商品を扱っています。老舗と言ってもそれほど堅苦しくなく街のケーキ屋さんといった雰囲気だし、どの商品もバラ売りをしているのでいろんなお菓子を買って味見することができますよ。というわけで今回はその「滋養軒」を紹介したいと思います。
滋養軒
創業65年を超える新營の老舗菓子店
台南中心部から滋養軒へ行くには、まず台鉄で台南駅から新營駅へ。新營から1㎞弱ほど離れた中山路沿いにお店があるので歩くと15分ほどでしょうか。バスで行く場合は新營駅前のバスターミナルから黃5線、または黃幹線のバスに乗って「中山」のバス停で降ります。
なかなかシブい店構えですよね。
お店に入るとなんだかベーカリーのような雰囲気。いや、ベーカリーと言ってもたぶん間違いではないと思うんですよ。
いろいろと伝統菓子が棚に並んでいます。
もちろん鳳梨酥(パイナップルケーキ)もあります。
こちらもおすすめ水晶蛋糕。
ベーカリーと言っても間違いではないと言いましたが、ちゃんとパンも売ってるんですよね。トーストなんかもありました。台湾ってパン屋さんが伝統菓子も売ってたり、洋菓子やさんが伝統菓子も売ってたりっていうお店がけっこうあるんですよね。
パイナップルケーキ3種(鳳梨酥・土鳳梨酥・鳳黃酥)
パイなプルケーキを購入してみましたよ。
鳳梨酥綜合禮盒・8個入り(270元)
買ったのは鳳梨酥と土鳳梨酥が半分ずつ合計8個入りのセット。
右が鳳梨酥、左が土鳳梨酥です。
まずは鳳梨酥をいただきます。ずいぶん大きそうだなー、と思ったら1つの袋に2個入ってました。変わったパッケージですね。でも取り出しにくいのでちょっとボロボロになっちゃいますよ(笑)。味の方は昔ながらのパイナップルケーキといった感じでなかなか美味しい。しっとりしたクッキーと滑らかな餡が一体となってとても食べやすい味です。
次はが土鳳梨酥。こちらは鳳梨酥に比べると果肉感のある餡に存在感があります。色もかなり濃いですねー。でも酸味はそれほどなくパイナップルの風味がよいのでこちらも美味しいです。
これは鳳黃酥。「フェニックスイエローケーキ」と書いてますが「鳳凰酥」とも呼ばれる餡に卵黄が入ったパイナップルケーキです。バラ売りで2個しか残ってなかったので2個とも買ってしまいました。
鳳黃酥(1個30元)
ご覧のように餡に黄色い卵黄が入っているのが分かるでしょうか。餡の甘さと卵黄の塩気が混ざることでまろやかな味になってこれが美味しいんですよ。どこでも売ってるわけではないですが扱っているお店もあるので見つけたらぜひ食べてみてください。
パイナップルケーキ以外のお菓子
パイナップルケーキ以外のお菓子も買ってみました。まずは太陽餅。よく見るペッタンコの太陽餅とは違ってぷっくりと膨れ上がった形が珍しかったので購入。
太陽餅(1個25元)
ぷくーっと膨れた形がかわいい。
割ってみると中は空洞。味は普通の太陽餅と同じでした。ただ単に空洞があるかないかという違いだったわけですね(笑)。
これは水晶蛋糕というケーキ。古早味ということなので台湾では昔ながらのケーキということなんでしょうね。
水晶蛋糕(50元)
きれいな三層になっています。
水晶蛋糕は咖啡凍(コーヒーゼリー)、布丁(プリン)、巧克力蛋糕(チョコレートケーキ)が一体となった3種類の味が同時に楽しめるケーキです。カットすると断面が美しいですねー。スポンジケーキにプリンとコーヒーゼリーを合わせるっていうのは興味深い発想ですね。味はやっぱりプリンが一番強いかな。食感もそれぞれ違うので面白い。
新営は台南の中心部からはちょっと遠いのですが、世界三大民俗祭りの一つである鹽水蜂炮(となりの鹽水區で開催。最寄り駅は新營駅。)が行われたり、中華風最後の晩餐が見られる 鹽水天主神聖堂があったりと見どころもあります。もし新営に行く機会があったら滋養軒にも寄ってみてはいかがでしょう。